野菜の力
2016年12月16日
キャベツを使った離乳食の進め方!成長段階に合わせたおすすめレシピも紹介
炒めたり、煮たり、サラダにしたりと、何にでも使えるキャベツを自宅に常備している家庭も多いのではないでしょうか。一見、繊維質に見えるキャベツですが、離乳食に使えるのでしょうか。キャベツを使った離乳食の進め方や、成長段階に合わせたおすすめレシピをご紹介します。
目次
キャベツはいつから使える?
キャベツは柔らかく煮てペースト状にすれば、離乳食初期から食べさせることができます。他の野菜と一緒に煮て、野菜スープの出汁としても使うことができますよ。クセが少なく、加熱すると甘みが増すので離乳食にはおすすめの食材です。ただし、芯や軸の部分は繊維が多く、茹でても柔らかくなりにくいため、離乳食初期には柔らかい葉っぱの部分のみを使います。キャベツは一年中手に入りやすいのも嬉しいですよね。
キャベツの栄養素
ビタミンC
キャベツにはビタミンCが豊富に含まれています。体の免疫力をアップしてくれるので、風邪などの病気にかかりにくくなります。赤ちゃんはまだ免疫力が弱いので、少しでも免疫力がアップする食材を食べさせてあげたいですよね。
ビタミンU
キャベツから発見された栄養素で、胃や腸の粘膜を守ってくれます。水溶性で熱に弱いため、しっかりと加熱調理する離乳食ではなかなか摂りにくいかもしれませんね。
ビタミンK
血液の凝固を促進したり丈夫な骨を形成するためには欠かせない栄養素です。腸内細菌によっても作られますが、まだ腸内細菌が定着していない赤ちゃんは欠乏しやすくなります。脂溶性のため加熱しても壊れることはありませんので、離乳食で積極的に取らせてあげたい栄養素です。
カリウム
体内の余分なナトリウムや老廃物を排出してくれる働きがあります。赤ちゃんは塩分を控える必要があるということを考えると、しっかりと摂らせてあげる必要があります。また、カリウムは汗と一緒に排出されてしまうのですが、カリウムが不足すると熱中症を起こしてしまいます。赤ちゃんは意外と汗をかきますので、カリウム不足に気を付けてあげたいですね。
カルシウム
カルシウムというと乳製品に多く含まれているイメージですが、キャベツにも豊富に含まれているんですよ。キャベツのカルシウムは他の野菜のカルシウムと比べると吸収率が高いと言われています。キャベツには、カルシウムの流出を抑えるビタミンKも含まれているので、カルシウムを効率よく吸収できます。熱に強いので、加熱してもしっかりと摂ることができますよ。歯や骨を作る大切な時期ですので、離乳食で上手にカルシウムを摂らせてあげたいですね。
キャベツの下ごしらえ
各時期共通の下ごしらえ
キャベツは鮮やかな緑色でつやがあり、ずっしりと重みのあるものを選んでください。離乳食には葉先のみを使います。外側の葉よりも内側の葉が柔らかく離乳食に向いています。特に春キャベツは葉が柔らかいので、離乳食にピッタリですよ。
葉をはがして一枚一枚洗い、芯や筋は取り除きます。柔らかく茹で、各時期に合わせた大きさに刻みます。筋を垂直に切るようにして繊維を短く分断すると、食べやすく調理することができますよ。
電子レンジを使う場合は、芯や筋を取ったキャベツを耐熱容器に入れ、軽く水をかけて加熱します。葉一枚の場合、500Wで1分程度が目安となりますが、電子レンジによっては差がありますので、固さを見ながら調整してくださいね。
サイズと柔らかさの目安
茹でたキャベツは、各時期に合わせたサイズに切りましょう。離乳食初期は裏ごししてペースト状に、中期は柔らかく茹で細かいみじん切りにします。後期に入ると、5mm程度のみじん切りに、完了期は7~8mm角を目安に刻みます。柔らかさは、指ではさんで軽く力を入れたらつぶれる位を目安にしましょう。
しかし、キャベツは食べやすい野菜ではないので、赤ちゃんがきちんと噛めているか、消化できているかを確認して、赤ちゃんに応じたサイズにカットしてあげてくださいね。
冷凍保存もできる
下ごしらえしたキャベツは冷凍保存することができます。茹でて各時期に合わせて刻んだキャベツ(初期なら裏ごししたもの)を1回分ずつ製氷皿に入れて冷凍しましょう。凍ったら保存袋に移します。使うときは電子レンジで解凍しましょう。スープや煮物に入れる場合は凍ったまま使うこともできます。ペーストを一度にまとめて作る場合は、ハンディブレンダーなどがあると便利ですよ。
注意点
スプーン1杯から始める
キャベツはアレルギーが起こりにくい食材ですが、絶対に起こらないわけではありません。消化しやすい野菜ではないため、消化器官が未熟な赤ちゃんが一度にたくさん食べると、下痢をしてしまうこともあります。赤ちゃんにキャベツを食べさせるときは、スプーン1杯から始めるようにしましょう。
初めてキャベツを食べさせたら、食後もしばらく様子を見ておく必要があります。アレルギーが出ないか、下痢をしていないかをしっかりと確認してから、徐々に量を増やしていってくださいね。
芯や筋は取り除く
芯や筋の部分は茹でてもやわらかくなりにくく、繊維質も多いので離乳食には向きません。ペースト状にしても繊維質が残りやすいので、キャベツを離乳食に使う場合は芯や筋を取り除いてから使うようにしてくださいね。特に離乳食初期の場合は、柔らかい葉先の部分のみ使うことをおすすめします。
しっかりと洗う
キャベツの葉には土や虫が付いていることがあります。離乳食に使うときには、一枚一枚しっかりと水洗いしましょう。
生キャベツは使わない
キャベツには水溶性のビタミンが多く含まれており、生で食べた方が栄養価は高くなります。しかし、1歳未満の赤ちゃんは雑菌に対する抵抗力が弱いため、生野菜を与えることは推奨されていません。1歳になるまではしっかりと火を通したキャベツを使いましょう。流れ出た栄養素も一緒に摂ることができるので、スープはおすすめのメニューです。
1歳を過ぎたら、少しずつ茹でる時間を短くしていきます。キャベツはトマトなどと比べ食べにくい野菜なので、生で食べさせるのはスムーズに噛めるようになってからがいいでしょう。早くても離乳食完了期以降、2~3歳になってからでも問題ありません。
離乳食初期(5~6ヶ月)におすすめのレシピ
キャベツのスープ
キャベツや玉ねぎ、にんじんなどの野菜を小さく切って柔らかくなるまで茹でます。茹でた野菜を裏ごしし、茹で汁と混ぜ合わせて食べやすい濃さに伸ばしましょう。じゃがいもやかぼちゃなどを加えてもいいですし、冷蔵庫にある野菜を組み合わせて作ることができます。
スープにすると一度にたくさんの野菜を食べることができるのでおすすめです。たくさんの野菜を一緒に茹でてキャベツと玉ねぎだけを使い、残った茹で汁を製氷皿に入れて冷凍しておくと野菜スープとしていつでも利用できます。
キャベツ粥
茹でるか電子レンジで加熱したキャベツを裏ごしし、お粥と混ぜるだけで出来上がります。野菜スープや粉ミルクで作ったお粥を使えばリゾット風に、和風だしのお粥なら雑炊風に、と変化をつけることもできますよ。お粥も裏ごしキャベツも冷凍保存したものを常備していれば、あっという間に完成ですね。
キャベツ&りんご
キャベツの青臭さが苦手な赤ちゃんもいます。そういう場合は、リンゴを混ぜてあげると食べやすくなりますよ。すりおろしたりんごと、裏ごししたキャベツを混ぜ合わせるだけで出来上がります。食物繊維がたっぷりなので、便秘気味の赤ちゃんにもピッタリです。
離乳食中期(7~8ヶ月)におすすめのレシピ
野菜とツナの煮物
茹でてみじん切りしたキャベツとにんじん、すりつぶしたツナ、出し汁を鍋に入れ、トロトロになるまで煮込みましょう。水溶き片栗粉でとろみをつければ完成です。ツナ缶は水煮で食塩・オイル無添加のものを使ってくださいね。鮭の水煮缶でも代用できます。粉ミルクで煮れば、クリーム煮にもなりますよ。
キャベツの納豆和え
茹でてみじん切りしたキャベツとひき割り納豆を混ぜるだけの簡単レシピです。納豆のトロトロ感でキャベツが食べやすくなりますよ。青海苔を少し散らしたりしてもいいですね。納豆はタンパク質やビタミン、ミネラルがバランスよく含まれていますので、離乳食にはおすすめの食材ですよ。赤ちゃんが粘り気を嫌がる場合は、サッとお湯をかけて粘り気を取ってあげると食べやすくなります。
野菜入り煮込みうどん
茹でてみじん切りしたキャベツやにんじん、ささみ、短く切ったうどんを鍋に入れ、出し汁で煮込みます。水溶き片栗粉でとろみをつけてあげてもいいですね。野菜は冷蔵庫にあるもので、ささみはツナや鮭の水煮缶でも代用できます。赤ちゃんが大好きなうどんに野菜やたんぱく質を加えて1品で栄養がしっかり摂れるメニューです。
離乳食後期(9~11ヶ月)におすすめのレシピ
シラス入りお好み焼
ボールに薄力粉、茹でて細かく刻んだキャベツ、シラス、ミルクを入れて混ぜ合わせ、薄く油をひいたフライパンで焼きましょう。手づかみで食べやすく、喜んでくれますよ。茹でてみじん切りにしたにんじんやささみを加えると、栄養価がさらにアップします。
野菜のバナナ和え
茹でて細かく刻んだキャベツとにんじん、すりつぶしたバナナを混ぜるだけで出来上がります。バナナの甘みで、キャベツが苦手な赤ちゃんでも食べやすいメニューです。
野菜炒め
フライパンに少量のごま油をひいて、ひき肉を炒めます。ひき肉の色が変わったら、細かく刻んだキャベツ、にんじん、玉ねぎを入れ、さらに炒めます。酒、みりん、砂糖、だしの素、醤油などで味を整え、食べやすいように水溶き片栗粉でとろみをつけましょう。野菜の甘みを出すために、じっくりと炒めるのがポイントです。ボロボロとなりそうな野菜炒めでも、水溶き片栗粉を絡めることで食べやすくなりますよ。多めに作って冷凍してもいいですね。
離乳食完了期(1歳~1歳半)におすすめのレシピ
鮭チャンチャン焼き
生鮭は皮と骨を取り除き、細かくカットします。キャベツ、にんじん、えのき、しめじも細かくカットします。鍋にキャベツを敷き詰め、その上に他の具材をのせます。水を入れて蒸し煮にし、柔らかくなってきたら出し汁、味噌を加えましょう。水分が少なすぎるようでしたら水も加えてくださいね。少し煮詰めたら完成です。こちらも多めに作って冷凍しておくことができます。
キャベツのパスタ
パスタを少し固めに茹で、食べやすい長さに刻みます。キャベツと玉ねぎは茹でて細かくカットします。トマトは皮をむき、細かく刻みます。鍋に少量の油をひき、ひき肉を炒めたら、キャベツ、玉ねぎ、トマト、野菜スープを入れ、柔らかくなるまで煮込みましょう。パスタを加えて、スープが少し残るぐらいまで煮詰めたら出来上がりです。パスタの代わりにマカロニを使ってもいいですね。
ロールキャベツ
キャベツの葉の軸を取り除き、茹でます。玉ねぎ、にんじんはみじん切りにします。豆腐と豚ひき肉を1:1の分量で混ぜ、玉ねぎとにんじんを加えて粘り気が出るまで混ぜましょう。柔らかすぎるようであれば、片栗粉を加えて調節します。茹でたキャベツを2~3cmの幅に切り、混ぜたタネをクルクル巻き、外れないようにパスタで止めます。鍋に水と無添加コンソメを入れ沸騰させ、ロールキャベツを入れて15分ほど煮込んだら完成です。モグモグとしっかり噛まないといけないメニューなので、噛む練習にもなりますよ。
離乳食初期から大人まで一緒に食べられるキャベツのポタージュ
ざく切りにしたキャベツと薄切りにした玉ねぎを入れ柔らかくなるまで煮込みます。柔らかくなったら火からおろし、ミキサーやブレンダーでペースト状にしましょう。ここで赤ちゃんの分だけ取り分け、粉ミルクと水で硬さを調節し、再び加熱したら完成です。大人の分には牛乳とコンソメを入れ、加熱しましょう。ほとんど同じ工程で大人の分と離乳食を一緒に作ることができるのでとても便利ですね。
さいごに
キャベツは栄養が豊富に含まれており、野菜スープのもとにもなるため、離乳食にピッタリの食材です。茹でると甘くなるので、赤ちゃんで食べやすいんですよ。キャベツを使った離乳食で、赤ちゃんの成長をしっかり手助けしてあげましょう。