野菜の力
2016年10月24日
ほうれん草の栄養価が凄かった!鉄分だけじゃない驚きの美容・健康効果
私たちの身近な野菜の一つであるほうれん草。ほうれん草はなんといっても鉄分が豊富なことで有名ですが、他にも魅力的な成分が豊富に含まれています。ビタミンやミネラルもいっぱい含んでいますので、季節を問わず食べたいところ。キレイを求めている方、健康を気にされている方に是非積極的に食べて頂きたい野菜です。また、中でも冬場のほうれん草は栄養満点!通常のものよりも甘みが濃縮されるので、味も良く、美味しく食べることができます。
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目次
ほうれん草に秘められた素敵な健康効果
ほうれん草には鉄分が含まれており、100gあたりおよそ0.9㎎の鉄分が入っていると言われています。葉酸も多いので、貧血予防にお勧めの食材です。貧血になると、疲れやすくなったり体がだる重く感じられるようになってしまいます。それに、肌にくすみが現れたり、髪の毛もパサついてきたりしますので、気になる方は早めに対策をした方が良いでしょう。
しかし、ほうれん草が素晴らしい理由はこれだけではありません。他にも色々な成分が含まれており、健康を気遣っている方や美容に力を入れている方にとって、メリットが少なくない野菜なのです。ビタミンCも豊富に含まれていますし、ビタミンB群もたっぷり。また、カルシウムやカリウムなども多く、ほうれん草をおひたしなどで食べた場合、100gあたり69㎎のカルシウムを摂ることが可能です。カリウムも、490㎎摂ることができます。この他にも、ルチンやクロロフィル、マグネシウム、グルタチオン、アルファリポ酸、セラミドなど様々な成分が含まれています。
まずは健康に良い成分と期待できる効果について見ていきたいと思います。
鉄分で貧血予防
「ほうれん草の栄養成分は?」と聞かれて鉄分と答える人は少なくないと思います。なんと、ほうれん草に含まれている鉄分は、こちらも鉄分豊富でお馴染みのレバーと同レベルとされていますから驚きです。鉄分が不足すると「鉄欠乏性貧血」が起こる可能性がありますが、これはいわゆる貧血の症状です。
鉄分は血液中の赤血球のヘモグロビンを作っている成分ですが、これが不足してくると、赤血球の中のヘモグロビンが減少してきてしまいます。鉄欠乏性貧血はフラフラする、立ちくらみが起きる、といった症状以外にも、動悸や息切れ、強い眠気、肩や首のコリ、だるさなどさまざまな症状が現れてきます。特に女性は貧血になりやすいので、ほうれん草を積極的に食べて鉄分を補ておきたいですね。
鉄分は身体を強化してくれる
鉄分には、貧血予防以外にもさまざまな作用が期待できる成分です。疲れにくくしてくれる作用であったり、強い筋肉を作り上げてくれる作用がありますから、疲れやすい現代人は普段から積極的に摂取したいところです。さらに、ほうれん草の根っこ近くには赤い部分がありますよね?その部分にはマンガンという栄養素が豊富なのです。マンガンは骨を強化してくれる作用が期待できるので、ほうれん草を食べるときは、赤い部分まで食べるようにすることをおすすめします。
ベータカロテンで風邪予防
ほうれん草にたくさん含まれているベータカロテンの働きには、皮膚や粘膜などを丈夫にしてくれるといったメリットもあります。粘膜が弱い状態のままでいると、どうしても病原体が体内に入りやすくなってしまいます。その為、良い状態にしておくことが大切。良い状態にしておくことができれば、風邪を予防することにも繋がります。また、ベータカロテンには免疫力をアップさせる効果もあるので、寒い季節にも負けない強い体を作ることもできるのです。季節を問わず、ほうれん草を食卓に登場させたい理由がここにもあります。
ビタミンA、C、Eが含まれているほうれん草。粘膜を守ったり強くしたりするビタミンA。免疫力をアップさせてくれるビタミンC。そして、血行を良くして冷えを改善。体を温めることで、ウィルスに立ち向かえる体にしてくれるビタミンE。この全てが含まれています。
ベータカロテンはガン予防効果も
ベータカロテンの強力な抗酸化作用の働きには、ガンの予防も期待できると言われています。しかも、ガン細胞を抑える働きまで期待できると言われているのです。ガンの中でも胃ガンに関して言えば、ベータカロテンをあまり摂らない人の方がリスクが高いとされています。
葉酸で胎児の健康に配慮
ほうれん草に含まれている葉酸。赤ちゃんが欲しいと考えている方にも、葉酸は積極的に摂るように言われていますよね。葉酸には、神経管閉鎖障害を防いでくれる成分が含まれているので、妊娠中だけでなくこれから妊娠を希望している方にも摂るようにとされているのです。
ほかにも葉酸には色々なメリットがありますが、認知症を防ぐ働きもあると言われています。また、認知症が進むことにブレーキをかけてくれる働きもあるのではないかとも期待されています。他にも、冠動脈疾患をはじめ、心不全や脳卒中のリスクを下げるといった効果もあると言われています。認知症を防ぎたいのは皆同じ。葉酸を含むほうれん草には、こういった働きもあります。
カルシウムで骨粗しょう症やイライラ対策
ほうれん草は、カルシウムやマグネシウムも含まれていることから、骨粗しょう症やイライラの予防にも役立ちます。骨を丈夫にしたい方にも効果的な食材。イライラして怒りっぽくなってしまったり、気持ちが落ち着かないと感じる方にも良い栄養素です。精神が安定すれば、集中して持続しながら何かを行うなどの作業も、更にスムーズにできるようになるのではないでしょうか?勉強する人、仕事する人、子育てをしている方全ての人にとってプラスになることでしょう。
カリウムでむくみを排除
ほうれん草に含まれているカリウムには、私たちが必要以上に摂り過ぎてしまった塩分を体の外へ排出させる働きがあります。また、むくみを改善してくれたり、高血圧を防いでくれる働きもあります。日本人はどうしても塩分の摂取量が多い傾向にありますので、カリウムを含んだ食材は是非食べたいところです。
ご紹介した効果以外にも、ほうれん草には尿酸を体の外に出してくれる働きもあるといわれています。ですから痛風を改善したい方はもちろん、痛風を予防したいと考えている方にもほうれん草はおすすめです。ただし、ほうれん草のえぐみを出しているシュウ酸は、稀に痛風の原因となっている結石を作る可能性が指摘されているので、水にさらしたりしっかり茹でたりと、調理法に注意してくださいね。
ほうれん草には美容効果もアリ!
ほうれん草には、健康の為にお勧めしたい理由もたくさんあるのですが、実は美容効果も少なくありません。ほうれん草には、美白効果が期待できる成分もたくさん含まれています。ほうれん草には多くのベータカロテンが含まれているのですが、この成分もまた肌に様々な良い効果をもたらしてくれます。
ベータカロテンの抗酸化パワーが、ストレスや日焼けなどによって大量に作られてしまった活性酸素に働きかけてくれます。つまり、美白効果も期待できるというわけです。また、ほうれん草には、メラニンを還元する働きがあるビタミンCをはじめ、美肌作りに欠かすことができないビタミンA、Eなども含まれています。また、コエンザイムQ10も含まれていますので、キレイの為にお勧めの野菜なのです。肌荒れの方や乾燥しがちな方も、是非積極的に食べてみてください!
セラミドでしっとり肌に
また美肌を作る為には、セラミドも必要。本来私たちの体の中にはセラミドがちゃんとあるのですが、年齢を重ねるごとに残念ながらその量も少なくなってきます。すると、肌の角質層の中の水分や油分なども不足した状態になってきます。その為、乾燥し敏感肌になりやすくなります。
セラミドをしっかりと補うことができれば、お肌に潤いも感じることができるようになります。肌の内側に十分な水分と油分があれば、理想的な肌へと近づけて行くことができるのです。
ほうれん草の中には、このセラミドが含まれていますのでお勧めです。更に嬉しいことに、お肌のターンオーバーを促す成分も含まれているので、美肌作りにはぴったりなのです。スキンケア化粧品などでもセラミドは注目されていますが、セラミドを多く含む食材を摂って、体の内側にも働きかける工夫をしてみてはいかがでしょうか?
食物繊維で便秘改善
ほうれん草には、食物繊維も豊富に含まれています。その量は、100gあたり2.8g程度とされています。一日に必要な食物繊維は、大人の場合女性は17g。男性であれば19gと言われています。ところが、実際に目標量をクリアできている方はあまり多くありません。中でも、40代以下の方に食物繊維不足の傾向が多く見られますので、注意しながら積極的に摂る必要がありそうです。
食物繊維を不足しないようにしっかり摂ることができれば、お腹の中の悪玉菌を減らし理想的な環境へと近づけて行くことが可能。便秘の改善にも繋がりますし、お腹の中の有害物質の減少にも役立ちます。
便秘が健康にも美容にもデメリットであることは有名なこと。便秘が原因で肌荒れを起こす方もいますし、体調が良くないと感じる方も少なくありません。ダイエットを気にしている方にも、便秘改善は大切です。スムーズなお通じは、スタイルを美しく見せることにも繋がります。日頃から、食物繊維が不足しないように心がけることが大事です。
また、ほうれん草の中でも根元の方の赤い部分には、他の部位よりもマグネシウムが豊富に含まれています。これは、便秘改善にもお勧めの成分。また、骨を強くしてくれる働きも期待できます。もし、いつも食べずに捨てているならもったいない!是非、捨てずによく洗って食べるようにしてみてください。意外に思うかもしれませんが、ほうれん草の赤い部分は味も全体の中で一番良い部位です。
チラコイドのダイエット効果
食物繊維が多く、便秘解消にも効果が期待できるほうれん草ですが、他にも嬉しい効果が期待できます。「チラコイド」という成分が含まれているのですが、これには脂肪の消化吸収を穏やかにしてくれたり、食欲を抑制してくれるなどの働きもあるとのこと。しかしながら、チラコイドの抽出については、現在はまだ簡単ではないようです。今後に期待といったところのようです。
特に冬のほうれん草は栄養たっぷり
スーパーに行くと、欠かさずほうれん草の姿を目にします。ほうれん草は調理法も多いですから、あると便利な野菜の一つとも言えるでしょう。ほうれん草は、冬の季節になるとより味が良くなると言われています。味がしっかりとして甘みも強く美味しいのです。また、栄養もこの時期ぐんとアップします。ビタミンCもたっぷりと含まれており、夏のものと比較してみると、およそ3倍含まれていると言われています。
効果をより高める為には?
最後に、ほうれん草の効果を高める食べ方のポイントをご紹介したいと思います。
もっと賢くほうれん草を食べよう
ほうれん草に豊富に含まれているベータカロテンやビタミンAをより無駄なく吸収する為には、適度なオイルと一緒に摂るのがお勧めです。また、ビタミンCを効率良く吸収する為には、一緒にビタミンEを摂るようにすると良いでしょう。胡麻やモロヘイヤ、オリーブオイル、アーモンド、うなぎなどを使ったレシピもお勧めですし、こういった食材と一緒に食卓に出すといった方法もあります。また、動物性のたんぱく質と一緒に食べるとより栄養素を無駄なく摂ることができます。
調理する時のコツ
ほうれん草に含まれている栄養素の中には、水に溶け出してしまうものもあります。ビタミンCもその一つです。その為、長い時間茹でてしまうと、茹で汁の中に大切な栄養素が流れてしまうので注意が必要です。それに、熱に弱い栄養素なので、加熱にも気を配る必要があります。同じく葉酸にも、加熱に弱く水に流れやすいといった特徴があります。
ほうれん草を料理する時は、炒める場合も茹でる時も、できるだけ短めにしましょう。但し、シュウ酸が含まれているので、ほうれん草の種類や料理方法によっては下茹でしてから始めた方が良い場合もあります。シュウ酸はアクの中に含まれているのですが、これを多く摂り過ぎてしまうと、尿路結石などの心配も出てきてしまいます。ですから、200g以上摂るのは控えた方が安心のようです。
リノール酸を含んでいる物と一緒に摂らないように
美肌作りの為にも、ほうれん草を食べることをお勧めしましたが、注意したいこともあります。オイルと一緒に摂るとより無駄なく栄養が摂れるのですが、その際オイルにも注意しなければなりません。ほうれん草は、揚げ物やマーガリン、マヨネーズなどリノール酸が多く含まれているものと一緒に摂ってしまうと、セラミドがスムーズに増えなくなるといったデメリットがあります。同じように、インスタント食品も要注意です。
まとめ
このように、ほうれん草にはいくつものメリットがあります。健康を維持したい方や、美容を気にしている方にもお勧めの野菜。風邪やインフルエンザを予防したり、痛風を改善したり。また、肌荒れや肌の乾燥を改善して潤いのある理想的な肌を目指すこともできます。もちろん、食べ過ぎるのは良くありませんが、適量を続けることで理想の体を作って行くことができます。