野菜の力
2016年11月14日
アスパラガスの栄養価に驚愕!実はすごい美容・健康効果
爽やかなグリーンとオシャレな見た目で、多くの料理を彩るアスパラガス。私たちにとってとても身近な野菜ですが、その栄養価は驚くほど高いんですよ。今回は、アスパラガスの栄養価について、美容面、健康面からご紹介していきます。これを読んだらアスパラガスが食べたくなること間違いありません!
関連:離乳食にアスパラガスがお勧め!成長段階に合わせたおすすめレシピも紹介
目次
アスパラガスの種類と栄養
アスパラガスにはグリーンアスパラガスとホワイトアスパラガス、紫アスパラガスがあります。グリーンアスパラガスとホワイトアスパラガスは同じ品種ですが、ホワイトアスパラガスは日に当てずに育ててあるため、グリーンアスパラガスの方が少し栄養価が高めになっています。
アスパラガスに含まれている栄養素といえばアスパラギン酸が有名ですよね。ルチンや葉酸、ビタミンA、C、Eやカロテンを豊富に含んでおり、とても栄養価が高い野菜です。紫アスパラガスは、ビタミンやポリフェノールがグリーンアスパラガスより豊富に含まれているのですが、入手が困難なこともあるようです。
日常的に食べるのであれば、手に入りやすく栄養価もより高いグリーンアスパラガスがおすすめです。
アスパラガスは美容におすすめ!
アスパラガスの持つ栄養成分が美容にとても効果的なんですよ。
美肌効果
アスパラギン酸は肌の新陳代謝を促したり、タンパク質の合成を助ける働きがあるため、ターンオーバーを整え、しみ・そばかすの予防に繋がります。肌の角質の水分を保持し、潤いを保ってくれる効果もあります。
また、アスパラガスには、皮膚の乾燥を予防するカロテン、皮膚のコラーゲン生成を促進する・シミやそばかすを予防するビタミンC、皮膚の新陳代謝を促進し、すこやかな肌に導くビタミンEもふくまれています。
カロテン、ビタミンC、ビタミンEには抗酸化作用もあり、美肌効果は抜群です!黄体期は、プロゲステロンの影響でメラノサイトが活性化し、シミが作られやすいので、抗酸化ビタミンをたっぷり摂りたいですね。
ビタミンCは「ルチン」という成分と一緒に摂取すると、より効果がアップするのですが、アスパラガスにはビタミンCもルチンも含まれているんです。
アンチエイジング
アスパラガスには「グルタチオン」と呼ばれるアミノ酸が含まれています。活性酸素は老化に大きく影響を及ぼしますが、グルタチオンには強力な抗酸化作用があるため、老化防止などに効果があると言われています。
この抗酸化作用が、たるみやシワ、くすみなどを予防してくれるのです。グルタチオンは体内でも生成されている成分ですが、加齢とともに作られにくくなってしまいます。長生きの人ほど、体内にグルタチオンの数が多いそうですよ。
また、グルタチオンには、メラノサイトをコントロールする効果もありますので、紫外線の刺激を受けて黒い色素を作っているメラノサイトへ働きかけ、肌の健康を維持することができます。また、アスパラガスには脱毛や白髪の予防に有効なビオチンも含まれています。
利尿作用
アスパラギン酸とカリウムに利尿作用があります。アスパラギン酸を利尿剤として利用している国もあるくらいなので、その効果は折り紙つきです。体内の毒素を尿と共に排出してくれるので、デトックス、むくみ解消効果も期待できますね。高血圧や膀胱炎の予防にもなりますよ。
ダイエットの味方
代謝を高める、疲労回復、滋養強壮などの効果があるうえ、カロチンやビタミン、食物繊維などの成分が豊富に含まれています。100グラムで22キロカロリーと、カロリーも低く、かみごたえもあるため、アスパラガスはダイエットの強い味方とも言えます。
アスパラガスで健康に
アスパラガスは健康維持にもピッタリの野菜なんです。
疲労回復効果
疲労を感じているとき、体内には乳酸が蓄積されています。アスパラガスの「アスパラギン酸」はアミノ酸の一種で、乳酸をエネルギーに変える手助けをしてくれます。
疲労物質を蓄積させやすいアンモニアの排出を促し、エネルギー源となるグリコーゲンの生成にも効果があることから、疲労回復に効果があると言われています。
アスパラギン酸は、その効果から栄養ドリンクやスポーツドリンクなどにも配合されているんですよ。また、睡眠の質を高めてくれるため、アスパラガスを使った睡眠サプリなども販売されています。
便秘改善
アスパラガスは、食物繊維が豊富で、オリゴ糖も含まれています。食物繊維が腸内に残っているものや余分な脂肪を排出し、オリゴ糖が腸内の善玉菌を増やして腸内環境を整えてくれます。
余分なものを排出し、環境を整えてくれる栄養素が両方とも含まれているため、便秘改善にはピッタリの食材なのです。
血行促進
血管を強化し、毛細血管の透過性を高めてくれえる「ルチン」という成分が含まれています。アスパラガスに含まれるルチンとビタミンEにより血管の状態や血流が改善され、体の隅々まで血液が巡るようになるため、冷え症が緩和されます。
冷えからくる肩こりや頭痛、免疫力の低下にも効果を発揮しますよ。また、心疾患や動脈硬化、血圧の安定にも効果があります。
免疫力アップ
アスパラガスには「サルササポゲニングリコシド」という成分が含まれています。あまり聞き慣れない名前ですが、この成分には免疫細胞T細胞を活性化する働きがあるため、アスパラガスを食べることで免疫力アップが期待できます。日頃から免疫力を高めておけば、風邪などの病気にもかかりにくくなりますね。
このサルササポゲニングリコシドと「ジオスゲニン」という成分には、抗腫瘍、抗菌性、抗ウィルス作用があり、免疫力アップだけでなく、がんや自己免疫疾患の予防にも期待が持てますよ。
生活習慣病予防
アスパラガスに含まれる「GABA」は、腎臓の働きを促す作用があります。塩分の過剰摂取で一時的に機能が低下した腎臓の働きを助け、血圧を正常化してくれます。コレステロールや中性脂肪の働きも抑えてくれるため、糖尿病、肥満といった生活習慣病の予防にも効果がありますよ。
また、GABAには、自律神経を整える作用がありますので、リラックス効果も期待できます。GABAが不足すると、自律神経失調症やうつ病、アルツハイマー病を招くと言われています。
肝臓機能改善
GABAは肝機能改善にも効果があります。血液中のアルコール濃度を抑制する作用、アルコールを代謝することで生成されるアセトアルデヒドを分解する作用があるので、アルコールが体内にとどまる時間を短くしてくれます。この作用によって、肝臓にかかる負担がより少なくなります。
飲酒によってできるアセトアルデヒドは、二日酔いの原因にもなり、発がん性も指摘されている有害物質です。お酒を飲むときは、アスパラガスを食べてから、もしくは食べながらにすると、悪酔いや二日酔いも防げ、翌朝すっきりと目覚めることができるかもしれません。
胃潰瘍
「メチルメチオニン」という成分は、胃酸の分泌を抑え、胃痛を緩和してくれます。粘液の新陳代謝を促進してくれるため、胃潰瘍・十二指腸潰瘍治癒能力を高めてくれますよ。このメチルメチオニンには、ニコチンを無毒化する効果もありますので、タバコを吸う人は積極的にアスパラガスを食べるといいですね。
骨を丈夫にする
骨を丈夫にする栄養素といえばカルシウムやマグネシウムが有名ですが、ビタミンKも必要です。アスパラガスには、骨の生成に関与するビタミンKが豊富に含まれています。
ビタミンKは納豆などにも含まれており、普段はあまり不足する心配がありませんが、女性は閉経すると骨粗しょう症のリスクが高まります。閉経後の女性は特に、カルシウムやマグネシウムだけでなくビタミンKも意識して摂取することをおすすめします。
妊婦さんにも嬉しい作用
妊婦さんに必要な成分である「葉酸」。葉酸には、鉄分不足を補う、胎児の先天性異常や神経管閉鎖障害の予防といった効果があります。一般の成人の場合、葉酸が不足することはほとんどありませんが、妊婦さんの場合は赤ちゃんの成長のために通常の2倍もの葉酸を摂取する必要があります。
葉酸は、ホウレンソウなどの葉の部分に多く含まれていることでしられていますが、実はアスパラガスにも豊富に含まれています。アスパラガスを食べることで、貧血を防ぎ、赤ちゃんを守ることができますね。
妊活にもおすすめ
先ほど説明した葉酸は、妊婦さんだけでなく、妊活中の女性にも嬉しい作用があります。血液中のホモスシテイン濃度というものが上がると、流産や卵子の発育障害のリスクが揚がります。
葉酸はホモスシテイン濃度を低くする働きがあるため、葉酸が豊富に含まれるアスパラガスは妊活中にもおすすめの食材なんです。
葉酸を摂取することで、男性の染色体異常の数が減少したという報告もあるので、夫婦で一緒に食べたいですね。
アスパラガスの栄養素を効果的に取るには?
新鮮なアスパラガスを使っても、選び方や調理法次第では栄養素が失われてしまうこともあります。
選び方
鮮度が悪くなると、栄養成分も損失されてしまうので、新鮮なものを選ぶことが重要です。鮮やかな緑色で黒ずみがないもの、穂先が開いていないもの、茎がまっすぐで切り口が固くなっていないもの、指で叩いてみて中が空洞になっている感じがしないものを選びましょう。
できれば買ってきた日にすぐに食べるのがおすすめですが、保存する場合は、濡らした新聞紙やポリ袋に包んで冷蔵庫に入れてくださいね。横に倒すと、糖やアミノ酸の消費が進み、栄養価が失われてしまいますので、穂先を上に向けた状態で立てて保存するの理想的です。
調理方法
アスパラギン酸は熱に弱く、ビタミンB、Cは水溶性、ビタミンA、Eは脂溶性となっています。長時間加熱してしまうと、せっかくの栄養素がなくなり、効果が薄れてしまいます。サッと炒めて食べるか、溶けだした栄養素までまるごと食べられるスープにするのがおすすめです。
茹でて食べたい場合は、カットせずに長いまま茹でましょう。切り口を少なくすることで、ビタミンが溶けだしにくくなりますよ。
アスパラガスを食べる際の注意点
健康にも美容にも嬉しい栄養素がたっぷり含まれるアスパラガスですが、食べる際に気を付けておきたいこともあります。
尿酸値が高い人は食べ過ぎに注意
急性関節リウマチの人がアスパラガスを食べ過ぎると、症状を悪化させる可能性があるそうです。また、アスパラガスはプリン体が多く含まれる野菜です。特に穂先の部分には、茎の部分の約5倍のプリン体が含まれています。
プリン体は体内で分解された後、尿酸に変わり、排出されますが、プリン体を取りすぎると、尿酸の排出がうまくできず、体内に蓄積され、関節に障害を与える場合があるのです。
痛風の原因となってしまうこともありますので、尿酸値が気になる場合は、アスパラガスの食べ過ぎには注意しましょう。食べる際には、プリン体の少ない茎の部分を選ぶといいですね。
ごく稀にアレルギーを起こすこともある
アメリカの国立生物工学情報センター(NSBI)では、アスパラガスによる食物アレルギーや接触性皮膚炎を起こす例が報告されています。基本的にはアスパラガスは無害ですが、稀にアレルギーを起こすこともあるようです。
アスパラガスに触れたり食べたりした後に、皮膚炎や蕁麻疹、ぜんそくなどの症状が出た場合は、アレルギーを疑い、症状によっては受診することをおすすめします。
尿が異臭!でも問題なし
アスパラギン酸は体内で硫黄含有物質に分解され、尿として排出されます。硫黄含有物質は、卵が腐ったような独特の臭いがしますが、個人差があります。
アスパラガスを食べて、尿が強く臭う人もいれば、あまり臭わない人もいますし、食べて15分後ぐらいの尿で臭う、という人もいます。しかし、尿が異臭だったとしても異常ではありませんので安心してくださいね。
この臭いは、アスパラガスが体内で代謝されないと臭わないので、アスパラガスから臭うことはありません。
最後に
アスパラガスの栄養価にビックリした人も多いのではないでしょうか。アスパラガスは老若男女問わず嬉しい効果があり、健康にも美容にもピッタリの食材です。
旬となるのは4~6月となり、その頃が一番栄養価も高いのですが、比較的年間を通して手に入りやすい食材です。調理法も簡単で、さまざまなレシピで美味しく食べることができますので、日常の食事に積極的に取り入れたいですね。