野菜の力
2016年11月30日
オクラの栄養価とその効果!あらためて驚いた強力な美容・健康効果
鮮やかな緑色とネバネバした食感が特徴的なオクラは、栄養価が高いことで有名ですよね。その効果の高さは、テレビで放送されるほどなんですよ。そこで今回は、オクラの健康効果と美容効果を改めてまとめてみました。
オクラに関連する記事
目次
オクラの3大栄養素
ムチンは糖とタンパク質が結合した「糖タンパク」の一種で、納豆や山芋、ツバメの巣などに含まれています。肝臓や腎臓の機能を正常に保ち、タンパク質の吸収を促進してエネルギーに変えてくれるので、疲労回復効果もあると言われています。体の粘膜を保護してくれるため、風邪やインフルエンザの予防効果も期待できます。胃や腸の粘膜を保護することで胃炎や胃潰瘍、腸炎などの予防に、目の粘膜を保護することでドライアイの予防にも期待が持てます。細胞を活性化してくれる働きがあるので、肌の老化防止にも役立ちますよ。
ペクチン
リンゴや柑橘系にも含まれる食物繊維のひとつで、胃での消化を遅らせるので血糖値の上昇を抑え、腸内で脂質の消化を助けるのでコレステロール値を下げる働きがあります。この作用は糖尿病や動脈硬化、心筋梗塞などの予防に繋がります。また、腸内で善玉菌を増やし、腸内環境を改善してくれるため、便秘や下痢の解消、疲労回復やダイエットの効果も期待できます。
ガラクタン
タンパク質と炭水化物が複合した食物繊維で、脂質異常の改善をしてくれます。脂質や糖の取りすぎから起こる生活習慣病の予防、腸内環境の改善によるダイエット効果などが期待できます。脳細胞の活性化にも効果があり、認知症の予防にも役立ちます。免疫力を高めてくれるので、がん細胞を抑制したり、ウィルス性の病気の予防にも効果があるとされています。
βカロテンも豊富
緑黄色野菜に多く含まれると言われるβカロテンですが、オクラにはレタスの約3倍のβカロテンが含まれています。βカロテンは体内で必要に応じた量のビタミンAに変化されますので、βカロテンを摂取することで、βカロテンの効果とビタミンAの効果の両方を期待できます。βカロテンは、体内の活性酸素を除去する抗酸化作用があり、皮膚や血管などの老化防止に役立ちます。また、ビタミンAは、免疫力をアップさせ、のどや鼻の粘膜を守ります。がんの予防効果も期待できるんですよ!
カリウムやビタミン類、ミネラルも豊富
オクラにはカリウムやビタミン類やミネラルも豊富に、バランスよく含まれています。カリウムはナトリウムの排出を促すので、むくみの解消や高血圧の予防ができますよ。筋肉の動きを正常に保つ働きもあります。マグネシウムは動脈硬化の予防、心臓機能を正常に保つ、高血圧や糖尿病予防にも効果があります。カルシウムが骨を丈夫にし、イライラ予防に、ビタミンCがコラーゲンの生成や鉄の吸収を助けるなど、健康にも美容にも効果がありますよ。妊娠中に特に積極的に摂取しておきたい葉酸も含まれています。
オクラの健康効果
大腸がんの予防
ペクチンには整腸作用があり、大腸がんを予防する効果があると言われています。また、オクラに含まれているガラクタンやβカロテンにも免疫力を高める作用があり、がんの予防やがん細胞の抑制に効果があるとされています。
生活習慣病や成人病の予防
ペクチンには胃での消化を遅らせる働きがあり、糖分の吸収が抑制されるため、インスリンの分泌量を抑えます。血糖値の上昇が緩やかになるので、糖尿病の予防効果が期待できます。また、ペクチンにはコレステロール値を下げる働きもあり、カリウムが体内の余分な塩分を排出してくれるため、高血圧や動脈硬化の予防にも役立ちますよ。マグネシウムも動脈硬化や高血圧、糖尿病の予防に効果を発揮します。ガラクタンも脂質異常や糖の摂り過ぎから起こる生活習慣病の予防に効果があるとされています。生活習慣病、成人病と呼ばれる糖尿病や高血圧、動脈硬化を予防できるなんて嬉しいですよね。
胃腸の調子を整え便秘や下痢を改善
ムチンは、胃や腸の粘膜を保護する働きがあり、胃腸の調子を整えてくれます。胃潰瘍や胃炎、腸炎などの予防に繋がります。ペクチンやガラクタンには便秘や下痢を改善する効果が期待できます。ペクチンは腸内の善玉菌を増やすことで便の量を増やし、腸内環境を整えてくれます。ガラクタンは食物繊維の働きで腸内環境を整えてくれますよ。
ムチンは胃の粘膜を守ってくれるので、お酒のおつまみとしてもピッタリです。
疲労回復
ムチンやペクチンにはタンパク質分解酵素が含まれているため、肉や魚と一緒にオクラを食べることで、胃への負担を軽減しながらタンパク質を消化・吸収してくれます。タンパク質を素早くエネルギーに変え、疲労回復効果を発揮します。ムチンやペクチンにより腸内環境が整えられることで、食事からの栄養をしっかり吸収できるようになり疲労回復にもつながりますよ。オクラにはβカロテンやビタミン類、ミネラルなどがバランスよく含まれており、これらの相乗効果が期待できることも、オクラに疲労回復効果があると言われる理由のひとつです。
免疫力アップ
鼻やのど、腸など体の粘膜が強くなると病気にかかりにくくなると言われおり、ムチンには体の粘膜を保護する働きがあります。鼻やのどの粘膜を保護してくれるため、風邪などの病原菌が体内に入るのを防いでくれます。目の粘膜にも働きかけるので、ドライアイの予防にも役に立ちますよ。また、ガラクタンやβカロテンには免疫力を高めてくれる効果があります。ウィルス性の病気予防ができ、がん細胞の抑制にも効果があるとされています。ガラクタンは花粉症などのアレルギー予防にも効果が期待されていますよ。
老化防止
ガラクタンには脳細胞を活性化する働きもあり、認知症予防の効果が期待できます。βカロテンには強い抗酸化作用があるため、体内の活性酸素を除去することで、体や皮膚の老化を予防します。
オクラの美容効果
ダイエット
食物繊維は腸内の有害物質や老廃物を絡め取って排出する働きを持つため、ダイエットには欠かせない栄養素です。オクラには、レンコンの約2倍以上、セロリの約3倍以上と非常に豊富な食物繊維が含まれているんですよ。また、ペクチンは、腸内の善玉菌を増やして活性化すると同時に、有害な菌の繁殖を抑え、腸内環境を整えてくれます。糖質の吸収を抑えてくれるペクチンの働きは、ダイエットにも一役買ってくれます。エネルギーの代謝を向上させるマグネシウムやミネラルも豊富に含まれおり、デトックス効果、糖質の吸収抑制、エネルギー代謝向上と、ダイエットに嬉しい効果が期待できますね。
美肌
美肌に必要なコラーゲンの生成に欠かせないビタミンCや抗酸化作用があるβカロテンを豊富に含んでいるので、美肌効果が期待できます。また、βカロテンは体内で必要に応じてビタミンAに変換されるため、ビタミンAとしての効果も得ることができるんですよ。皮膚の新陳代謝を高めたり、肌の乾燥を防いでくれます。
アンチエイジング
韓国コスメで人気を集めたカタツムリクリームを覚えていますか?その主成分は、オクラにも含まれているムチンなんです。ムチンには細胞を活性化する働きがあり、老化防止に役に立つんですよ。オクラには、強い抗酸化作用をもつβカロテンやビタミンCも豊富に含まれています。
むくみ解消
体内にカリウム不足は、むくみの原因のひとつです。カリウムを摂取すると、体内の余分なナトリウムを排出してくれるため、身体のむくみが解消しますよ。むくみを取るだけで体のラインがスッキリする人も少なくありません。むくみはダイエットの大敵ですよね。カリウム不足は、むくみ以外にも慢性的な疲れや不整脈の原因にもなります。
美味しいオクラを食べるために
美味しいオクラの見分け方
鮮やかで濃い緑色のもの、産毛が均一に生えており、全体をびっしりと覆っているものを選びましょう。ヘタの切り口が白くてみずみずしいもの、角がハッキリ、しっかりとしたものは新鮮な証拠です。大きいオクラは種も大きく苦みが出始めているため、大きすぎないものが美味しい傾向にあります。
ヘタの切り口が茶色に変色しているものや、触ると柔らかく角が丸みを帯びているものは、古い可能性がありますので避けてくださいね。
オクラを調理するときのポイント
オクラの表面にびっしりと生えている産毛。そのまま食べても問題はありません。しかし、塩ずりして水洗いすると表面がきれいになり、食べやすくなりますよ。調理してから産毛を取ることは難しいので、産毛を取ってから調理することをおすすめします。
また、オクラを茹でるときには、オクラの実の中に水が入らないようにしましょう。ヘタを切り落とさないで茹でるのも、オクラを美味しく食べるポイントですよ。
オクラの保存方法
オクラは実は低温が苦手
オクラを買ってくるとつい冷蔵庫に入れてしまいがちですが、実はおくらは5度以下になると低温障害を起こしてしまいます。冬場などの寒い時期は冷暗所での保存でも問題ありませんが、冷蔵庫で保存する場合は、新聞紙などで包み、ビニール袋に入れてから野菜室で保存しましょう。買ってきたものは4~5日程度、カットしたものは2~3日を目安として食べ切るようにしてくださいね。たくさんあって食べきれない場合は、冷凍保存もできますよ。
オクラの冷凍保存
オクラは生のままでも茹でても冷凍することができます。しかし、解凍すると柔らかくなってしまうということを考慮しておかなければなりません。生のまま冷凍するのであれば、塩ずりして産毛などを洗い流し、水気をふき取ってからラップに包むか保存袋に入れましょう。食べるときには必ず火を通してから食べるようにしてくださいね。茹でてから保存する場合は、塩ずりして産毛などを洗い流してから30秒ほど茹でます。固めに茹でておくことが、解凍後も美味しく食べるポイントです。茹でて刻んだりピューレ状にして冷凍しておけば、そのまま使うことができるので非常に便利ですよ。
オクラの栄養素をしっかりとるために
一番のおすすめは「生」
オクラの栄養素の中でも特に優れた効果をもつペクチンとムチンですが、水溶性のため、茹でると栄養素が流れ出てしまいます。ムチンは熱にも弱いため、効果的に摂取したいのであれば生のまま食べることをおすすめします。青臭さが気になるようであれば、納豆やキムチなど臭いが強いものと混ぜると食べやすくなりますよ。
電子レンジで加熱も
生で食べるのが難しい場合は、少しだけ加熱しましょう。長時間の加熱は栄養素を流失させ、オクラの食感も失ってしまいます。沸騰したお湯でサッと茹でるか、電子レンジで加熱しましょう。電子レンジで加熱すると、茹でるよりも栄養素の流出を抑えることができますよ。オクラに爪楊枝などで数か所穴をあけ、1分ほど加熱します。加熱時間は電子レンジにより異なりますので、オクラの状態を見ながら調節してくださいね。加熱しすぎるとムチンが失われてしまいますので注意しましょう。
スープなら栄養素を逃がさず食べられる
生で食べるのは苦手だけど栄養素は逃がしたくない、という場合はオクラをスープで食べましょう。スープにすれば、水分に溶けだした栄養素もすべて食べることができますよね。好みの味付けをしたスープにスライスしたオクラを入れて、サッと火を通してください。熱に弱いムチンをできるだけ失わないよう、加熱は短時間にすることが大切です。青臭さが苦手な場合は、スープにニンニクなどと香りが強いものを入れたり、バターで風味をつけるなどしておくと、より食べやすく仕上がりますよ。
食べ過ぎには注意
オクラには食物繊維が豊富に含まれていますが、食べ過ぎると下痢を起こしてしまう可能性があります。食物繊維はあまり消化が良くないため、胃腸が弱い人や風邪などで胃腸が弱っている場合も食べ過ぎには注意しましょう。2~3本程度を毎日食べても問題はありませんが、毎日数十本を食べるのは避けておいた方が良いでしょう。オクラなどの夏野菜の食べ過ぎは、下痢だけでなく、体を冷やしてしまいますので、妊娠中の方は特に食べ過ぎに気を付けなければなりません。
健康にも美容にも嬉しい効果があるオクラを、毎日の食生活に上手に取り入れたいですね。