野菜の力
2016年11月30日
オクラは冷凍・解凍しても栄養は減らない?正しい方法と保存期間
オクラは一年中スーパーで手に入り、比較的低価格な野菜です。栄養豊富でどんな料理にでも使えるため重宝しますが、保存期間が短いため、使い切れずに捨ててしまった経験がある人も多いのではないでしょうか。たくさんあって食べきれない、なんて場合には冷凍保存をしてみませんか?今回は、オクラの冷凍保存についてご説明します。
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目次
オクラって冷凍できる?
美容や健康に必要な栄養素が豊富に含まれているうえ、使いやすくて重宝しますが、傷みやすいのが難点ですよね。旬の夏場などは特に安く売られているため、ついつい買いすぎてしまうこともあります。しかし傷ませてしまってはもったいないですよ。オクラは冷凍保存することができます。冷凍保存すると保存期間が長くなりますので、焦ることなく、使いたいときに、使いたい分だけ使うことができますよ。
オクラの冷凍方法
そのまま冷凍
塩ずりなどで産毛を取り除き、洗って水気をふき取った状態で、ラップに包んだり保存袋などに入れて冷凍します。解凍後の調理方法が決まっていない場合は、丸ごと冷凍するのがおすすめです。もちろんスライスしてから冷凍することもできますが、その場合は、一回分ずつ小分けにしてから冷凍しておくと、使うときに便利ですよ。
オクラは解凍すると柔らかくなり、歯ごたえがなくなってしまいます。解凍後に炒めたり煮たりする予定がある場合は、生のまま冷凍しておく方がいいかもしれませんね。
茹でて冷凍
オクラをサッと使いたいときや自然解凍してそのまま食べたいときは、少しだけ茹でてから冷凍したオクラがとても便利です。茹でる場合も、塩ずりなどで産毛を取り除き、水で軽く洗ってから茹でましょう。冷凍後に解凍すると柔らかくなってしまうので、固めに茹でるのがポイントです。茹で時間の目安は、オクラの大きさにもよりますが30秒~1分程度で、菜箸で持ってもまだ固い程度で十分です。
その日に食べるオクラと一緒に茹でる場合は、冷凍保存する分だけを先にお湯から引き上げましょう。よく冷ましたら丸ごと冷凍するか、スライスやカットして冷凍します。スライスして冷凍する場合は、生で冷凍する場合と同じように一回分ずつ小分けして冷凍しておくといいですよ。
細かく刻んだりピューレ状にして冷凍しておけば、離乳食などにも使うことができます。ピューレ状にして保存する場合は、頭の固い部分と中の種を取ってフードプロセッサーにかけましょう。保存袋などではなく製氷皿を使って一回分ずつに分けておくと便利ですよ。
冷凍オクラの栄養素について
オクラは冷凍・解凍しても栄養は減らない?
オクラを冷凍すること自体では栄養素が失われることはほとんどありません。しかし、冷凍したオクラを解凍する際に出てくる水分と一緒に、ビタミンCやペクチンといった水溶性の栄養素が流れ出てしまうため、その多くが失われてしまいます。オクラに含まれる豊富な栄養素を無駄にしないよう、解凍の際には注意が必要です。
水溶性の栄養素①ペクチン
水溶性食物繊維のひとつで、血糖値やコレステロール値の上昇を抑える働きがあるため、糖尿病や動脈硬化の予防、ダイエット効果が期待できます。また、腸内環境を改善してくれるため、便秘や下痢の解消、疲労回復などにも期待が持てますよ。
水溶性の栄養素②ムチン
糖とたんぱく質が結合した糖タンパクの一種で、ほとんどの動物の粘液に含まれています。人の体では、口や鼻の粘膜、涙、唾液などに含まれていますよ。粘膜を保護してくれるので、風邪やインフルエンザなど病気の予防、胃炎や腸炎の予防及び改善、ドライアイの予防などに効果が期待できます。タンパク質の吸収を促進するので、疲労回復効果もあるとされています。
水溶性の栄養素③ガラクタン
炭水化物とたんぱく質が複合した水溶性の食物繊維のひとつで、腸内環境を整えてくれるため、ダイエット効果が期待できます。他にも脂質異常や糖の摂り過ぎから起こる生活習慣病の予防、免疫力アップ、がん細胞の抑制、ウィルス性の病気の予防、認知症予防など、さまざまな効果があるとされています。
水溶性の栄養素④ビタミンCの働き
コラーゲンの生成には不可欠な栄養素で、抗酸化作用もあり、皮膚や粘膜の健康維持に役立ちます。鉄の吸収を良くしたり、ストレスへの抵抗力を高めるなど、美容と健康にはとても大切な役割を担っています。
冷凍オクラの賞味期限
オクラの賞味期限はとても短く、スーパーで買ってきたオクラは4~5日のうちに使い切ってしまわなければ傷んでしまいます。スライスやカットしたオクラは、できるだけその日のうちに、長くても2~3日中に使い切るのが理想的です。しかし、冷凍すると約1ヶ月程度保存することが可能になります。オクラがたくさんある場合や、スライスしてしまったけど使い切らない場合は、すぐに冷凍することをおすすめします。
オクラを冷凍するメリット
保存期間が長くなる
オクラを保存するとき、つい冷蔵庫に入れてしまいがちですよね。しかし、実はオクラは低温が苦手です。5度以下では低温障害を起こし、傷んでしまうのです。気温が低い冬場などは、新聞紙などに包んで風通しの良い冷暗所で保管することができますが、夏場はそういうわけにはいきません。また、オクラは賞味期限が短く、買ってきて4~5日程度で使い切ってしまわなければ傷んでしまいます。
しかし、オクラは冷凍することで、1ヶ月程度の保存が可能になります。保存期間が延びるので、「使い切らないうちに傷んでしまった」なんていうことも減りますね。オクラを買ったけど4~5日程度では使い切れない場合や、食べようと思って切ったけど食べきれなかった場合は、冷凍保存がおすすめです。離乳食用にまとめて調理して冷凍保存しておいても便利ですよ。
調理時間の短縮ができる
冷凍オクラが解凍されると、とても柔らかくなります。その分、火の通りも早くなるため、調理時間を短縮することができます。オクラを冷凍しておけば、仕事から帰ってきてからのご飯の準備や忙しいときなども、調理時間が短縮でき非常に便利ですよ。
茹でて刻んだりスライスしたオクラを冷凍している場合は、解凍するだけで食べることができます。食事の準備の最初に、冷凍庫から出した凍ったままのオクラを小鉢に入れたり、納豆などと混ぜておくと、準備が終わるころには自然解凍されています。混ぜたり放っておくだけで一品完成しますよ。茹でてから冷凍する場合は、解凍すると柔らかくなることを見越して固めに茹でておくことが、冷凍オクラを美味しく食べるポイントです。
オクラ冷凍する注意点
産毛を取ってから冷凍する
オクラを冷凍保存する前に、塩ずりなどをして必ず表面の産毛を取っておきましょう。手が荒れていて塩ずりがつらい場合は、オクラと塩をビニール袋に入れて、ビニールの上から塩ずりをすると、塩や産毛で手が痛くなる心配がありません。オクラの産毛には個体差があり、産毛が固いオクラもあります。冷凍後に産毛を取るのは難しく、産毛があると口当たりが悪くなってしまいます。面倒かもしれませんが、冷凍する前にひと手間かけておくことで、冷凍オクラをより美味しく食べることができますよ。
解凍すると柔らかくなることを考慮する
冷凍オクラは解凍すると柔らかくなってしまいます。冷凍前に茹ですぎると、解凍したときにふにゃふにゃになってしまい、食感が損なわれてしまいます。茹でてから冷凍する場合は、解凍したら柔らかくなることを頭に入れておきましょう。解凍後に加熱調理に使う予定がある場合は特に、固めにゆでておくことをおすすめします。
生のオクラのシャキシャキした食感が好きな場合、解凍して柔らかくなってしまったオクラの食感じゃ物足りない、と感じる人もいるかもしれません。そういうときは、買ってきたばかりのオクラは生で食べ、冷凍したオクラは加熱料理に使うなど、食べ方に工夫をするといいですね。
解凍後の加熱時間は短くする
冷凍したオクラは柔らかくなってしまうので、解凍後に加熱する場合にも注意が必要です。レシピなどに書かれている加熱時間通りに冷凍オクラを加熱してしまうと、火が通りすぎた状態になってしまいます。また、ムチンなど熱に弱い栄養素もあります。冷凍したオクラを加熱する場合は、柔らかくなりすぎないよう加熱時間を調節してくださいね。
冷凍庫に入れる前によく冷ます
温かい状態で保存袋に入れたりラップに包んでしまうと、内部に水分が溜まってしまうため、水っぽくなり、水溶性の栄養素や解凍した際の美味しさが失われてしまいます。また、温かい状態で冷凍庫に入れてしまうと、周りのものを溶かしてしまったり冷凍効率を下げてしまうなど、悪影響を及ぼします。茹でたら水気をとり、しっかりと冷ましてから冷凍庫に入れるようにしましょう。
できれば、冷ました後に金属製のバットなどに並べて冷凍してから、小分けして保存袋などに入れるとベストです。金属製のバットは熱効率が良く、急速に冷凍することができますので、鮮度を保つことができます。金属製のバットがない場合は、お菓子などが入っていた缶のふたで代用することもできますよ。急速冷凍は、冷凍オクラの美味しさのポイントのひとつです。
冷凍したオクラの使用方法
生で冷凍したオクラは必ず火を通す
買ったばかりのオクラは生で食べることができます。しかし、冷凍したオクラは、もともとオクラについていた雑菌などが解凍中に繁殖してしまう可能性もあるため、生食には適していません。生のまま冷凍していたオクラは、お腹を壊してしまわないよう必ず加熱してから食べるようにしましょう。
冷凍したオクラは、解凍すると柔らかくなり、加熱して冷凍した物との見分けがつきにくくなります。冷凍する際には、保存袋等に「生」、「加熱済」など、冷凍前の状態をメモしておくと良いかもしれませんね。
加熱して冷凍したオクラはそのまま利用OK
茹でてから冷凍したオクラは、再加熱する必要はありません。自然解凍か電子レンジで軽く解凍すれば、そのまま食べることができます。再加熱する場合は、凍ったまま鍋に投入しても大丈夫です。茹でてスライスした冷凍オクラは、解凍して納豆と和えるだけなど、手間をかけることなく食卓に出すことができますよ。食卓にあと一品プラスしたいときなどにもササッと使えて、とても便利です。
溶け出す栄養が気になるならスープに
オクラは解凍する際に出てくる水分と共に、水溶性の栄養素が流れ出てしまいます。栄養素の流出が気になるようであれば、スープに使うのもおすすめです。スライスやカットして冷凍したオクラであれば、スープができあがる直前に凍ったまま入れると良いでしょう。溶けだした栄養素もスープと一緒に丸ごと摂ることができますよ。オクラに含まれる栄養素の中には熱に弱い栄養素もありますので、加熱時間はできるだけ短くしてくださいね。
できるだけ鮮度がいいオクラを選ぼう
どんな食材でもそうですが、冷凍保存するとどうしても鮮度が落ちてしまいます。冷凍したオクラをより美味しく食べるためには、できるだけ鮮度がいいものを冷凍したいですよね。オクラを選ぶ際には、濃くて鮮やかな緑色のもので、産毛が全体にびっしり生えているものを選びましょう。切り口が茶色などに変色しているものは古くなっている可能性がありますので避けてくださいね。切り口がきれいなものを選ぶのもポイントです。また、オクラは大きく育ちすぎると苦みが出始め、中の種も大きくなってしまうので美味しくありません。やや小さ目のものが美味しい傾向にありますよ。
オクラの旬は暑い夏の時期です。旬のものが味も栄養価もより良いため、旬の終わりぐらいに冷凍しておくと、旬が終わってからも1カ月程度は美味しくて栄養価の高いオクラを食べることができそうですね。
まとめ
傷みやすいオクラも、冷凍保存することで1カ月程度は安心して使うことができます。食事にオクラを使う予定があるときなどにまとめ買いして、一部を生のまま冷凍、一部を茹でて丸ごと冷凍、一部を茹でてスライスして冷凍、など工夫して冷凍保存しておくと便利ですよ。美容にも健康にも必要な栄養素が豊富に含まれているオクラを冷凍保存して、食事に活用してみてくださいね。