野菜の力
2016年10月26日
トマトは冷凍・解凍しても栄養は減らない?正しい方法と保存期間
野菜や肉類など、食材を大量に買い込んだ時に悩みものなのが保存ですよね。何でもかんでも缶詰のように長持ちすればいいものの、多くの食品は放置しておけば腐ってしまいます。
これは当然ながらトマトも同じこと。そこで今回はトマトの正しい冷凍方法や解凍方法、さらには保存期間などについてお話ししましょう。
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目次
冷凍トマトにも栄養たっぷり
当たり前の話ですが、冷凍トマトにもトマトの栄養がたっぷり含まれていますよ。美容効果や健康効果をもたらすリコピンやビタミン類、たんぱく質にミネラルなどなど。トマトには非常に多くの栄養が含まれており、血流改善やダイエット、美肌などに効果的。二日酔いや妊婦さんの栄養補給などに最適なことも認められています。
そんなトマトだからこそ、冷凍してでも毎日食べてほしいところ。毎日買い足すとなると面倒ですし、やはり特売日などにまとめて買ってしまいたいものです。トマトに限らず野菜の冷凍は現代に生きる上で必須ともいえるもの。冷凍技術がせっかく発達しているのですから、これを上手く利用しない手はありませんよ。
トマトの冷凍と解凍で栄養は減らない?
トマトを冷凍、解凍するとなった時に気になるのが栄養が減るかどうかですよね。せっかく栄養豊富なトマトの栄養価が失われてしまったら、なんだか食べる気も失せてしまいます。
人によっては栄養補給のためにトマトを食べてることもあるでしょうからね。で、肝心の答えはどうなのかといえば、やはり完全に元の状態を保つことはできません。中でもビタミンCなどは水溶性なことから長期間の冷凍保存で含有量が減少してしまいます。
ただ、解凍の際に出てくる水分も調理に使うことでロスを抑えることが可能。その水分には栄養やうまみが閉じ込められているのです。このことから、解凍方法や調理方法に気を遣えば、そこまで冷凍解凍によるロスを気にしなくても大丈夫でしょう。
これからきちんとした保存方法などを紹介するので、それを覚えて賢くトマトを活用してください。
トマトを冷凍すると便利でうまみアップ
さて、トマトの冷凍方法を紹介する前に、少しそのメリットについて話していきましょう。もちろん、最大のメリットは冷凍による長期保存なわけですが、実はトマトの冷凍には他のメリットも存在するんです。
たとえば、トマトを冷凍することで料理が格段に楽になります。生のままだとやりづらい皮むきが簡単にできたり、普通よりも加工のバリエーションが増えたり。冷凍したトマトは水につけるだけで簡単に皮がむけますよ。
また、トマトを冷凍するとうまみ成分がアップ。トマトのうまみ成分といえばグルタミン酸やアスパラギン酸などが有名で、これらのうまみ成分は冷凍によって質が高まるため、冷凍したほうがよりトマトを美味しく食べられるわけです。
長く保存できるうえに加工しやすく、さらに美味しくなるなんて、もはや冷凍しない手はありませんね。単純に美味しく食べたいからという理由で冷凍する方も多いようなので、近くにトマトのある方はぜひ冷凍してみてください。冷凍方法については下記で説明します。
トマトの正しい冷凍方法
ここからは本題でもあるトマトの正しい冷凍方法を紹介。とても簡単に出来るので気になる方はメモなどとってチャレンジしてみてくださいね。
トマトはまるごと冷凍
野菜の中には適度な大きさに切ったり、茹でてから冷凍するものもありますが、トマトについては面倒な工程は必要ありません。ヘタを取ったり洗ったりする必要はあるものの、基本はまるごとで大丈夫。
しっかりとヘタをとってきれいに洗ったら、水分をキッチンペーパーなどでよくふき取り、それから密閉袋などに入れて冷凍しましょう。1個1個別の袋でも平気ですし、いくつかを同じ袋に入れても大丈夫。
トマトは数日置いただけでも水分が抜けて、本来のうまみや鮮度が失われてしまうので、なるべく早めに冷凍するといいでしょう。
ただ、トマトはそれなりの大きさがあり、冷凍室に少し余裕がないと入りません。多くを冷凍する場合は冷凍室の整理も忘れないでください。ちなみに、まるごとだと場所がない時にはカットして冷凍しても大丈夫です。
まだ青いトマトの場合は涼しめの、直射日光が当たらない場所で保存して熟れてきたら冷凍すればいいでしょう。
大きさは均等にして冷凍
トマトをカットして冷凍するときには、なるべく大きさを均等にしておきましょう。あまりバラバラに切ってしまうと、料理に使う際に不便です。大きさが同じであれば熱の伝わり方も均等になるので、何かと加工がしやすいでしょう。
それに、スライスなどは大きさを揃えておいた方が保存がコンパクトになります。バラバラだと、どうしてもフリーザーパックの隙間部分が多くなりますからね。
冷凍室は何かと混雑しがちなので、自分の家の状況に合わせて工夫してみてください。また、少し小さめに切っておくと冷凍が早くなりますよ。そこまで急ぐことも少ないとは思いますが、なるべく早く冷凍したい時などは実践してみてください。
ちなみに、冷凍のコツは出来るだけ空気を抜いておくこと。さらに平らにしておくと使いたい分だけペキペキ折りながら利用できるので便利ですよ。冷凍の強みは使いたい時に使いたい分だけ使える部分にもありますからね。
急速冷凍が最適
トマトに限った話ではありませんが、野菜を冷凍するときには急速冷凍が一番。これによって鮮度や栄養素を多めに保つことが可能です。本当は急速冷凍機能で一気にやるのが一番なのですが、家庭ではなかなか難しいのも事実。
そこで、金属トレーなどを使って冷凍するといいでしょう。金属トレーは熱伝導性がよく、より短時間でトマトを冷凍することが可能です。ちょうどいいトレーが無いときなどは空き缶などでも代用可能。家にあるものを賢く活用してトマトをよりおいしく冷凍しましょう。
加工してから冷凍してもOK
トマトを必ずしも生のまま保存する必要はありません。大量に加工してから冷凍しておけば解凍後に調理をする必要がありませんし、形によっては場所的にも助かるでしょう。
そんな加工してからの冷凍でおすすめなのがひとつ。トマトをソースにしてから冷凍保存する方法です。具体的なやり方としては、まずトマトのヘタを取り、それをフードプロセッサーなどで液体にしていきます。
それが終わったら種と皮をザルなどでこして、後は鍋でひたすら煮込めばOK。ケチャップ程度の粘度になったら完成なので、フリーザーパックやタッパーなどに入れて冷凍庫に保存すればいいでしょう。こ
れなら解凍すればすぐに料理に使えますし、そのまま食べることも可能です。それでいてうまみ成分はアップしてますからね。毎回毎回、冷凍したトマトから加工品を作っていた方は、こちらの方法に切り替えることでいくつかの手間を省くことができますよ。
トマトの解凍方法と知っておきたいこと
ここからは冷凍したトマトを解凍して使う際に知っておきたい情報をいくつか紹介。冷凍庫から取り出せば解凍はできるわけですが、いくつかのポイントを押さえておくと、より賢く活用できますよ。
解凍前にまず皮むき
冷凍トマトを取り出したら、まずは解凍前に皮をむいておくといいでしょう。先ほど言ったように冷凍したトマトは皮が簡単に剥けます。方法は簡単なもので水で洗うだけ。
冷凍の時点で組織が壊れているので、ちょっと洗うだけで気持ちいいくらい簡単に皮が剥けるのです。面倒な湯向きや炙りなどは一切必要なし。先に解凍してしまうと面倒なので必ず冷凍から出したら皮むきを覚えておきましょう。
解凍は電子レンジで軽めに
冷凍トマトをがっつり解凍してしまうと使いにくくなってしまうので、解凍は電子レンジで軽めに。まだ少し凍ってるくらいで大丈夫です。逆に解凍しないで凍ったまま料理に使うのもひとつの方法。凍ったままの状態ですりおろしてドレッシングやスープなどにする方法もありますよ。
冷凍トマトはサラダ向けじゃない
冷凍したトマトを解凍すると、わりとグシャっとした感じになってしまうため、そのまま食べるのには向いていません。そのため、解凍したトマトは基本的に加工して使いましょう。
トマトソースにしてもいいですし、オリーブオイルなどを加えて煮込み料理にするのもグッド、ミートソースや丼もの料理のアクセントに加えるのもいいでしょう。サラダには使えないものの、加工の仕方は数百通り。
ネットを覗けば様々な料理方法が紹介されているので、料理が苦手な人もそれらを参考に冷凍トマトを上手く活用してみてください。
保存期間はどのくらい?
冷凍したトマトの保存は約2か月ほどと言われていますが、トマトの質や状態によっては半年ほど持つことも。そのため、トマトを冷凍する際はなるべく鮮度のよい状態で冷凍したいところ。
そろそろマズいかなと思ってギリギリで冷凍するのはおすすめしません。ちなみに、トマトまるごとよりもトマトソースにした方が、より長く保存することができます。きちんと消毒済みの瓶を使い、そこにギリギリまでトマトソースを入れ、ほぼ真空状態で保存しておけば、なんと1年ほど持つんだとか。
このことから、かなりの長期間保存となる予定であればトマトソースに加工したのち冷凍するのがいいでしょう。もちろん。トマトソースを保存する際はなるべくフリーザーパックに空気が入らないようにしてくださいね。冷凍の場合は瓶よりもフリーザーパックのほうが使い勝手が良いと思います。
常温の場合は?
冷凍とは少し離れますが、常温の場合は青いトマトなら1週間、赤いトマトなら2、3日が保存期間の目安となります。もちろん、これは涼しい日を対象とした目安。暑い日には必ず冷蔵庫に入れるなどして、腐らないようにしてください。
明らかにカビが生えてきたり、黒ずみが出てきたり、しわが多くなってきたら危ない状態ですので、食べるのは避けておきましょう。柔らかくなりはじめのトマトなどはソースにすると良いといわれています。
このことから分かるように、常温ではほとんど保存できません。買ってきてすぐ使うのでなければ冷凍してしまうのがおすすめ。うまみもアップしますし、加工目的であればそうデメリットもないでしょう。サラダなどを作る際はその都度新鮮なトマトを買ってきた方がいいかもしれませんね。
冷凍トマトを使った簡単レシピ
さて、最後に冷凍トマトを有効活用した簡単レシピをいくつか紹介しておきましょう。冷凍トマトを有効活用してリコピンなどの栄養を摂取です。
冷凍トマトの冷やし中華
冷やし中華といえばハムや金糸卵が基本となるわけですが、夏の間ずっと食べていると飽きが来てしまいます。そんな時におすすめなのが冷凍トマトを使った冷やし中華です。
作り方は簡単で冷凍トマトを適当な大きさにして、それをツナ缶とともに麺に乗せるだけ。これだけで普段とは違った味の冷やし中華を楽しむことができます。あらかじめツナ缶を冷やしておくことで、より冷えた料理になるので、暑い日などは試してみてください。
冷凍トマトのシャーベット
せっかく冷凍したのだからシャーベットにするのもおすすめ。これの作り方も非常に簡単なもので、冷凍トマト1個と塩レモンに酢、ヨーグルトなどをミキサーに入れて滑らかになるまで回し続ければ完成です。材料については自分の好みでいろいろアレンジしてみるといいでしょう。
食べているうちにシャーベットが少しずつ溶けてきてスープ状になるのがまた美味。人によっては完全に冷凍トマトだけをフードプロセッサーに入れて、トマトだけのシャーベットを作ることも。
トマト好きにはたまらないスイーツになりますよ。少量のレモン汁や蜂蜜をかけるのもおいしいようです。また、単純に冷凍トマトをスープに混ぜて食べる方法もおすすめ。ただ単に冷凍しただけのトマトが予想以上の活躍を見せてくれます。
まとめ
さて、トマトの冷凍や解凍についてはいかがだったでしょうか。トマトを大量に買い込んだときなんかは冷凍保存が必須。そのままだと数日も持たないので、なるべく早めに冷凍してよりおいしくトマトをいただくようにしましょうね。
スープも煮物も丼ものも麺類もスイーツも。冷凍トマトは本当に何にでも使えるので冷凍庫にストックしておくと非常に便利。少し多めにストックしておくくらいでもいいかもしれませんね。ただ、保存期間には注意しましょう。