野菜の力
2016年12月15日
ゴーヤの栄養価にビックリ!驚きの美容・健康効果
ブツブツした見た目と濃い緑が特徴的なゴーヤは、苦みのある野菜としても有名ですよね。「苦くて食べられない」という人も少なくないのではないでしょうか。今回はゴーヤのもつ栄養素と、その驚きの効果についてご紹介します。
目次
ゴーヤの栄養素
苦みのもと「モモルデシン」
ゴーヤ独特の苦みは「モモルデシン」という成分によるものです。ただの苦み成分というわけではなく、実は体にとてもいい成分なんですよ。胃腸の粘膜を保護したり、食欲を増進させる効果があります。夏バテにはピッタリの食材なんですね。
ビタミンC
ゴーヤにはビタミンCが豊富に含まれています。その量はゴーヤ可食部100gあたり76mg。同じ100gのキュウリやトマトの約5倍以上となっており、ビタミンCが豊富といわれるキウイ(69mg)やイチゴ(62mg)よりも多くのビタミンCが含まれています。一般的に熱に弱いとされるビタミンCですが、ゴーヤに含まれるものは、加熱しても壊れにくいと言われています。
カリウム
ゴーヤにはカリウムも豊富に含まれています。ゴーヤに含まれるカリウムは、ゴーヤ可食部100g中260mgで、カリウムが豊富といわれるキュウリよりも多いんですよ。カリウムは、体内の余分な塩分を排出してくれる働きがあり、塩分を取りすぎがちな日本人の食生活には欠かせない栄養素です。むくみ防止に繋がります。
ゴーヤの美容効果
美肌効果
コラーゲンの生成に欠かせないビタミンCが、ゴーヤには豊富に含まれています。肌の潤いや弾力を保ち、肌荒れを防いでくれますよ。また、紫外線によるメラニンの生成を抑えてくれるため、シミの予防も期待できます。
アンチエイジング
ゴーヤに含まれるビタミンCやβカロテンには抗酸化作用があり、体内を酸化から守ってくれます。つまり、肌の老化予防にも効果を発揮してくれるんですよ。ゴーヤのビタミンCは加熱しても壊れにくいため、炒め物などにして積極的に摂取したいですね。
むくみ防止
カリウムの効果といえば利尿作用が有名ですよね。体内の余分な塩分を排出してくれるため、むくみ防止にも効果的です。
ゴーヤの健康効果
疲労回復
ゴーヤの苦み成分モモルデシンには、胃腸の粘膜を保護したり胃液の分泌を促す働きがあります。この働きにより胃の働きが活発になると、食欲の増進に繋がり、疲労回復や夏バテに効果を発揮します。また、汗と一緒に流出してしまうカリウムも豊富に含まれています。カリウム不足は夏バテの一因とも言われていますので、ゴーヤを食べることで夏バテを予防することができますよ。
高血圧・動脈硬化予防
ゴーヤ含まれるカリウムには、過剰に摂取したナトリウムの排出を促して、血圧の上昇を抑える働きがあるため、高血圧予防に効果があります。また、カリウムには腎臓に溜まりやすい老廃物の排泄を促す働きや、筋肉の収縮をスムーズにする働きもあります。
ククルビタシンという成分も含まれており、毛細血管を丈夫にして血液循環を良くする働きがあるので、動脈硬化の予防にも効果があるとされています。
糖尿病予防
ニガウリに含まれるモモルデシンやチャランチンという成分は、ブドウ糖の取り込みを促進して、血糖値を低下させる働きがあるとされています。また、薬品のインスリンに似たたんぱく質の植物インスリンが含まれており、この植物インスリンが血糖値を安定させる効果があると言われています。
美味しいゴーヤを食べるために
ゴーヤの選び方
イボイボが細かく密集していて、緑色が濃いほど苦みが強いと言われています。品種改良されて苦みが少ないゴーヤも販売されているようですが、本来の苦みのあるゴーヤの方が、栄養も豊富のようです。ゴーヤはイボイボがきれいで色が濃く、ツヤのあるものが新しいものです。ふっくらとして、あまり大きすぎないものが美味しい傾向にありますよ。盛ったときに硬いくらいのハリがあり、ずっしりとしたものを選んでくださいね。
ゴーヤの保存方法
丸ごと保存する場合は、乾燥を防ぐためにぬれた新聞紙などに包み、冷暗所で保存します。冷蔵庫に入れるときは、ポリ袋などに入れて野菜庫に入れてくださいね。しかし、保存期間はそれほど長くはありません。ゴーヤを縦半分に切って、種とワタを取り除いてから保存することもできます。新聞紙などに包んで保存袋に入れ、冷蔵庫の野菜室に入れましょう。
また、種とワタを取り、料理に使う暑さにスライスしてから保存袋に入れて、冷蔵庫の野菜室に入れれば、1週間程度保存することができますよ。冷蔵庫で保管する場合は、水洗いしないことがポイントです。水洗いすると、栄養素が流れてしまううえ、変色したり食感が悪化してしまいます。
冷凍保存もできる
ゴーヤは冷凍保存もできます。生のまま冷凍することもできますし、軽く茹でて冷凍しておくことも可能です。種とワタは腐りやすいので、冷凍する場合は必ず取っておきましょう。3~5mm程度にスライスして、生のまま、もしくは軽く茹でて水気を切ってから、保存袋に入れて冷凍します。
生のシャキシャキとした食感は若干失われますが、火を通して食べる分にはそれほど気になりません。凍ったまま調理することもできますし、冷凍すると1ヶ月程度は保存することができるので、とっても便利ですよ。
ゴーヤの下ごしらえ
基本の下ごしらえ
ゴーヤを縦半分に切り、中の種とワタをスプーンなどで取り除きます。種とワタを取ったゴーヤをスライスし、軽く塩を振ってよくまぶし10分ほど置きます。塩の量はゴーヤ1本に対して塩小さじ1杯程度で良いでしょう。アクが出てきたら、一旦水にさらして塩気を取り、ザルにあげてしっかりと水気を切りましょう。
茹でる場合は、1Lの水に20g(2%濃度)の塩を入れて沸騰させたお湯に水気を切ったゴーヤを入れ、サッと茹でます。3~5mm程度のゴーヤで1分ほど、薄くスライスしたゴーヤならば10秒程度でも問題ありません。茹でたら冷水に入れ、色止めをすると鮮やかな緑が保てますよ。粗熱が取れたら、すぐにザルにあげて、しっかりと水気を切ってくださいね。
下ごしらえのポイント
白い部分をしっかりとそぎ落とすようにすると、苦みを少し抑えることができると言われていますが、実はワタってそれほど苦くないんですよ。ワタをしっかり取る以外にも苦みを抑える方法があります。まずは、スライスの厚さ。スライスの厚みは3~5mm程度にすると調理した後も食感が残って美味しいのですが、薄くスライスした方が、塩もみや下ゆでで苦みが抜けやすくなりますよ。ただし、水溶性の栄養素も抜けやすくなりますので、注意してくださいね。
そして、塩もみですが、塩だけで揉みこんでいる人が多いかと思います。ゴーヤ1本に対して、塩小さじ1/2と砂糖小さじ2を合わせて、良く揉んでみてください。砂糖にも塩と同じように野菜の水分などを引き出す効果があります。塩のみで揉みこむよりも、苦みを感じにくくなりますよ。
苦みとの上手な付き合い方
ゴーヤの苦みは水にさらしたり塩もみすることで和らぎますが、栄養分もそれだけ流れ出てしまいます。栄養素の流出を最小限に抑えるためにも、水にさらす時間は短時間にしたいですよね。苦み成分にも栄養があり、できるだけ苦みも一緒に食べた方が体にはいいので、切り方や調理方法で苦みを抑える工夫をしてみましょう。
切り方は、薄切りや小さ目の角切りにすると苦みを感じにくくなると言われています。調理の際には、ごま油やだしの素、かつお節などうまみ成分が含まれている調味料を使ったり、濃いめの味付けにすると苦みを感じにくくなりますよ。
実は種やワタにも栄養がある
種やワタの栄養素
ゴーヤの種とワタを捨ててしまう人って多いですよね。しかし、実は種とワタにも栄養が豊富に含まれているんですよ。種には共役リノレン酸という成分が含まれており、体脂肪の燃焼や冷え症改善に効果があるとされています。また、ワタには、普段食べている部分の約1.7倍のビタミンCが含まれていると言われています。ゴーヤの苦みが大丈夫な人は、種やワタを取り除かず食べてみてはいかがでしょうか?豊富な栄養素を摂取できるうえ、何より、調理の手間が省けますよ!
ゴーヤの種やワタの食べ方
ゴーヤを輪切りにして、種やワタも一緒にそのまま天ぷらにすると、美味しく食べることができます。美容やダイエットなどが目的の場合は7~8mmに、苦みが苦手な方は3~4mm程度に切るのがおすすめです。
ワタのみを味噌汁の具として使うと、お麩のような食感を楽しむことができます。塩コショウをした卵液にくぐらせて焼けば、ワタのピカタとして食べられますよ。ケチャップやマヨネーズをつけて食べてもいいですね。
種はレンジで1~2分加熱して、フライパンでカラカラになるまで乾煎りし塩を振れば、美味しいおつまみに変身しますよ!「ゴーヤのワタが苦い」と思い込んでいる人も多いと思いますが、実は苦くないので、ぜひ一度試してみてくださいね。
乾燥させれば長期保存できる
乾燥ゴーヤのつくり方
種が付いたままのゴーヤを1~2mmにスライスして、ザルに並べて天日干しします。天気や気温にもよりますが、2~3日で乾燥ゴーヤができあがりますよ。少しでも水分が残っているとカビの原因になりますので、しっかりと干して、密閉容器に入れましょう。
天日干しが難しい場合は電子レンジで作ることもできます。オーブンシートを敷いた皿にスライスしたゴーヤを広げて3~4分加熱し、裏返してからさらに3~4分加熱します。しっかりと冷ましてから、密閉容器に入れて保存します。密閉容器に乾燥剤も一緒に入れておくと、湿気を防ぐことができますよ。常温で半年以上もちますが、冷蔵庫に入れておくと湿気やカビを防ぐことができ、安心ですね。
乾燥ゴーヤの使い方
調理に使うときには、種とワタを取り除いて、水に1~2時間つけて戻します。生のゴーヤのようなシャキシャキとした食感は失われますが、また違った食感が楽しめますよ。戻したゴーヤは、炒めものやサラダ、かき揚げなどに使うことができます。
乾燥したまま油で揚げて塩を振れば、ゴーヤチップスにもなります。取り除いた種とワタはゴーヤ茶にすることができますが、使う予定がない場合は、あらかじめ種とワタを取ってからスライスし、天日干しにするといいかもしれませんね。
ゴーヤ茶のつくり方
乾燥させたゴーヤを、フライパンで薄茶色になるまで乾煎りし、粗熱を取るだけでゴーヤ茶が完成します。ゴーヤ茶を入れた急須にお湯を注ぎ、5分ほど蒸らして飲みましょう。多めに淹れたいときは2~3分煮出してもいいですね。ゴーヤ茶の出し殻は、つくだ煮などに使うことができますよ。
乾燥ゴーヤの栄養価は?
夏の疲れには特にうれしい栄養素がたくさん含まれているゴーヤですが、乾燥させると栄養価がさらにアップすると言われています。カリウムは約15倍、カルシウムが約18倍、鉄は約27倍も多くなるんですよ。生で食べるよりも栄養価が高く、年中ゴーヤを食べられるなんて、乾燥ゴーヤってとても魅力的ですよね。
完熟ゴーヤは甘くなる
冷蔵庫の中で黄色くなり始めたゴーヤを捨てていませんか?実は、黄色く熟したゴーヤも食べることができるんですよ。ゴーヤが熟していくと、緑から黄色へ、黄色からオレンジへと変化しています。完熟したゴーヤの実はサラダや和え物など、いろいろな料理に使うことができますよ。トロピカルな味わいなので、ジャムやスムージーに使っても美味しく食べることができます。
ゴーヤが熟すると、種を包んでいた白い綿も、赤いゼリー状のものに変わります。このゼリー状の部分は、そのまま食べても甘いそうですよ。ただし、生で食べる際には、食中毒等の危険性もありますので、十分気を付けてくださいね。完熟したゴーヤはお店で販売されていませんので、試してみたい方は、買ってきた緑のゴーヤを完熟させましょう。
さいごに
最近、ゴーヤは緑のカーテンとしても育てられることが多くなっています。緑のカーテンとして栽培されたゴーヤの苗にはたくさんの実が付くことでしょう。保存期間があまり長くない野菜ですが、上手に保存して、使い切りたいものです。栄養満点、美容にも健康にも嬉しい効果があるゴーヤを、美味しく食べて、美容と健康を維持したいですね。