野菜の力
2016年12月15日
ゴーヤチャンプルーのカロリーは低い?高い?少しの工夫でヘルシーに!
ゴーヤチャンプルーは沖縄の郷土料理のひとつです。養価が高いと言われるゴーヤですが、カロリーは高いのでしょうか。ヘルシーに見えるゴーヤチャンプルーのカロリーも気になるところですよね。今回はゴーヤチャンプルーのカロリーや、ゴーヤチャンプルーをヘルシーにする工夫をご紹介していきます。
目次
ゴーヤチャンプルーとは
ゴーヤチャンプルーは沖縄の郷土料理のひとつで、ゴーヤに豚肉やスパム缶、豆腐、卵を加えて作ります。醤油やめんつゆで味付けすることが多く、炒めるだけで手間もかからないため、人気の料理です。豆腐の植物性タンパク質、卵や豚肉といった動物性タンパク質、ゴーヤのビタミンやミネラルを含んでいるため、バランスのとれた一品です。カロリーもそれほど高くないため、少し食べ過ぎてもそれほど問題ありません。
ゴーヤのカロリー
ゴーヤの成分の約95%は水分です。タンパク質や脂質はほとんど含まれていません。カロリーは100gあたり約17kcalと、野菜の中でもやや低めになっています。標準サイズのゴーヤの重さが150g程度なので、1本あたりのカロリーは25kcal前後となります。しかし、油で炒めると脂質が増えるため、100gあたりのカロリーは約53kcalとかなり上がります。
ゴーヤの糖質は100gあたり1.3gで、糖質も少ないため、糖質制限ダイエットにもピッタリの食材です。
ゴーヤチャンプルーのカロリー
本場のゴーヤチャンプルーにはスパムが入っています。スパムとは豚肉と牛肉の合いびき肉を塩漬けしたもので、100gあたりのカロリーが300kcalととても高く、塩分も高い食材です。ゴーヤの苦みとの相性は抜群ですが、ヘルシーさを求めるのであれば避けたい食材ですよね。
一般的な家庭でつくるゴーヤチャンプルーは、スパムではなく豚肉を使うことが多いのではないでしょうか。ゴーヤ50g、豚肉40g、木綿豆腐50g、卵30gにサラダ油、しょうゆ、酒、みりん、かつお節で味を付けたゴーヤチャンプルーの場合、1人前(199g程度)のカロリーは277kcalです。他の料理と比べると、カロリーは低めとなっています。油の量を減らすと、少しだけカロリーを抑えることができますよ。
ゴーヤチャンプルーは糖質も少なく、1食分で4.9g程度となっています。糖質制限ダイエットには、とても向いているメニューですね。ちなみに、277kcalを消費するのに必要な有酸素運動は、ウォーキングで104分、ジョギングで63分、水泳で39分、縄跳びで32分となっています。
ゴーヤチャンプルーの栄養素
ゴーヤの苦みのもと「モモルデシン」
ゴーヤ独特の苦みのもとでもある「モモルデシン」。ただの苦み成分というわけではなく、胃腸の粘膜を保護したり、食欲を増進させる効果があります。また、ブドウ糖の取り込みを促進して血糖値を低下させたり、自律神経の乱れを整える働きがあるとされています。
ゴーヤのビタミンCは熱に強い
ゴーヤにはトマトの約5倍ものビタミンCが含まれています。コラーゲンの生成やメラニン生成の抑制、抗酸化作用、免疫力アップなど、美容にも健康にも嬉しい効果があります。一般的に熱に弱いとされるビタミンCですが、ゴーヤに含まれるものは、加熱しても壊れにくいと言われています。
ゴーヤに豊富に含まれるカリウム
ゴーヤにはカリウムも豊富に含まれています。カリウムは、体内の余分な塩分を排出してくれる働きがあり、むくみ防止や高血圧、動脈硬化に効果を発揮します。筋肉の収縮をスムーズにする効果もありますよ。
ゴーヤのその他の栄養素
「チャランチン」には、薬品のインスリンに似たたんぱく質の植物インスリンが含まれており、この植物インスリンが血糖値を安定させる効果があると言われています。モモルデシンとともに糖尿病予防効果が期待できますよ。
ゴーヤには、他にもビタミン類やミネラル類、食物繊維などもバランスよく含まれており、とても栄養価の高い野菜だと言えます。
豚肉のビタミンB1
豚肉に含まれている栄養素の中でも特に優れているのがビタミンB1です。牛肉の約8倍も含まれており、疲労回復やストレス軽減効果があると言われています。肩こりの改善にも役に立ちますよ。
豆腐の大豆タンパク
豆腐などの大豆製品には良質なタンパク質が含まれています。大豆タンパク質は余分な資質を体外に排出してくれる効果があり、ダイエットには嬉しい食材ですね。「畑の肉」と言われるほどの栄養価なんですよ。
ゴーヤ×豚肉は健康にも美容にもいい!
豚肉や豆腐は、ゴーヤとの一緒に食べることで美容効果や健康効果のアップが期待できるとされています。ゴーヤ+豚肉はダイエットや美肌作り、むくみ改善、夏バテ予防の効果が期待できるんですよ。また、ゴーヤ+豆腐もダイエット効果や美肌効果がアップすると言われています。ゴーヤと豚肉、豆腐を使うゴーヤチャンプルーは、健康にも美容にもう嬉しい効果が期待できる食べ物なんですね。
脂肪燃焼にはゴーヤの種!
ゴーヤの種には「共役リノレン酸」という成分が含まれており、体内で「共役リノール酸」という脂肪酸に変化します。共役リノール酸には、体脂肪の燃焼を促進する効果や脂肪の蓄積を防ぐ働きがあるとされています。また、脂肪を効率よく燃焼させることで、筋肉の成長を促す働きもあります。筋肉が増えると、代謝がよくなり、また脂肪燃焼へと繋がります。
共役リノール酸は、体内ではほとんどつくられない成分なので、食品で摂取しなければなりません。ゴーヤの種を取り除かずにゴーヤチャンプルーすれば、ダイエットにピッタリのメニューになりそうですね。
ゴーヤチャンプルーをヘルシーに
油の使用をできるだけ抑える
フライパンで炒める際に必要な油。これをカットするならば、電子レンジでゴーヤチャンプルーを作りましょう。耐熱容器に一口大に切った豚バラ、下ごしらえしたゴーヤを入れ、調味料を回しかけます。その上に水切りして手でちぎった木綿豆腐をのせ、ふんわりとラップをかけて500wで4分ほど加熱します。一旦取出し、割りほぐした卵を入れて全体をざっくりと混ぜ、500wで2分ほど加熱します。ラップを外し、ざっくりと混ぜ合わせたら完成です。
ご使用の電子レンジにより加熱時間に差がありますので、様子を見ながら調整してくださいね。電子レンジで加熱すれば油を使う必要がありません。しかし、ゴーヤの栄養は油で炒めると吸収されやすいとされていますので、油で炒めたい場合はダイエット効果のあるオリーブオイルなどを使うのもいいかもしれませんね。
基本の材料に一工夫
炒める前に、肉をサッと下ゆですることで余分な脂を落とすことができます。少しでもカロリーを抑えたい人は、豚肉を下ゆでしましょう。
木綿豆腐を絹ごし豆腐に、豚バラを豚もも肉や鶏肉に変えるだけでも、かなりのカロリーを抑えることができます。ツナの水煮缶などで代用することもできますよ。カロリーをできるだけ抑えたいひとは、材料を工夫してみてもいいかもしれません。
肉なしゴーヤチャンプルー
肉を使わずに作れば、それだけカロリーを抑えることができますよね。肉が入っていない分、ガッツリ感は少なめですが、かつお節を多めに使ったり、しっかりした味付けにすることで満足感が出ます。もやしなどカロリーの低い野菜を加えてかさを増やしてもいいですね。肉のうまみが欲しい場合は、ツナの水煮缶やちくわを入れるとゴーヤチャンプルーにコクが出ますよ。
肉なし豆腐なし!トマトでゴーヤチャンプルー
ゴーヤ(1本)の下ごしらえは通常と同じように、種とワタを取って塩もみし、さっと洗って水気を切ります。ボールに水と麩10gを入れてふやかし、ぎゅーっとしぼって水気を切ります。卵2個にナンプラー数敵を垂らし、軽く混ぜ合わせて麩を入れ、麩に卵をしみこませておきます。
ごま油を熱したフライパンにゴーヤを入れて炒め、軽く火が通ったら卵がしみ込んだ麩を入れます。全体に火が通ったら、オイスターソース、ナンプラー、こしょうで味を整え、半分にカットしたプチトマトを入れて全体になじませましょう。肉なしでも麩を使って高タンパク低カロリー、満足できる一品です。トマトの酸味とナンプラーで、サッパリと食べられますよ。
血糖値対策なら「酢ゴーヤ」でチャンプルー
酢ゴーヤって?
「酢ゴーヤ」をご存知ですか?糖尿病の改善に効果がある食べ物として、健康雑誌でも紹介されたことのある食材です。ゴーヤのビタミンCの効果、お酢の新陳代謝促進や脂肪燃焼効果が組み合わせられると、血液がサラサラになり、高血圧や血糖値の上昇を抑え、肥満予防やダイエットにも良いと言われています。
酢ゴーヤのつくり方
ゴーヤ1本の種とワタを取り除き、3mmぐらいの薄さにスライスします。お酢100ml、砂糖30gをよく混ぜ、スライスしたゴーヤを入れ、電子レンジで1分間加熱しましょう。ラップをして常温で一晩おいたら、翌日から食べることができますよ。
ゴーヤの厚みは、好みに応じて変えてもいいですし、砂糖の代わりにハチミツを使ったりしてもいいですね。冷蔵庫で1ヶ月ほど保存することができます。
酢ゴーヤでゴーヤチャンプルー
酢ゴーヤはそのまま食べることもでき、血糖値対策には毎日食べるのが理想的ですが、苦くて食べられない場合はゴーヤチャンプルーなど、料理に活用すると食べやすくなります栄養もたくさん摂ることができますよ。つくり方は、普段のゴーヤチャンプルーと同じで、豚肉と酢ゴーヤを炒め、豆腐、卵を入れて味を整えれば完成します。酢ゴーヤの効果に、豚肉や豆腐の栄養素もプラスされ、健康的な一品になります。
ゴーヤチャンプルーの落とし穴
ゴーヤには食欲を増進する効果がある
カロリーが低く、ダイエット向きだと思われがちなゴーヤチャンプルーですが、ゴーヤの苦み成分「モモルデシン」には食欲を増進する効果があります。ついつい食べ過ぎてしまったり、他の食品を食べたいという欲求が出てくることがありますので、その点は注意が必要です。
どんなにヘルシーなゴーヤチャンプルーを作っても、他の食品を食べ過ぎてしまっては意味がありませんよ。ゴーヤチャンプルーを食べるときには、高カロリー食材を使って腹持ちを良くしたり、一緒に食べる食材にも気を付けなければなりません。
ゴーヤは体を冷やす
ゴーヤに含まれている「モモルデシン」には。気分をスッキリとさせ、体を冷やしてくれる働きがあります。夏の暑い日にはピッタリな野菜なのですが、冷え症などの悩みがある人は食べ過ぎないように注意しましょう。ネギや生姜など体を温めるものと一緒に摂ることをおすすめします。ゴーヤチャンプルーの隠し味に生姜を入れたり、彩りにネギを散らしたりすると良いかもしれませんね。
塩分にも気を付けて
しょうゆや麺つゆで味付けをするゴーヤチャンプルー。意外と塩分が高くなってしまいます。成人男性のナトリウム推奨摂取量(食塩相当量)は1日8g、女性だと7gですが、先ほどの235kcalのゴーヤチャンプルーでの食塩相当量は2.53gです。ゴーヤチャンプルー1人前で、1日の推奨摂取量の1/3程度を摂取してしまうことになるのです。他の食品にも塩分が含まれていることを考えると、ゴーヤチャンプルーの塩分をもう少し押さえたいですよね。
塩分が気になる場合は、塩分を控えめにして、酢を少しだけ垂らしてみてください。酸味と塩味を適切なバランスで加えると、お互いを強め合う効果があります。酢の酸味があることで、塩味が引き立って感じられるので、いつもより少ない塩分でも美味しく感じられますよ。塩分の取りすぎは高血圧やむくみ、腎臓疾患、不整脈などを引き起こす原因となりますので、気を付けてくださいね。
さいごに
ゴーヤチャンプルーは、ゴーヤのビタミンやミネラル類、豆腐や卵のタンパク質などがバランスよく含まれている理想的な一品です。使う肉の種類や材料次第で、高カロリーにも低カロリーにもなります。いろいろな組み合わせを試してみて、自分の好みと希望の効果にピッタリのゴーヤチャンプルーを探してみてくださいね。健康的なおかずですが、食べ過ぎには注意しましょう。