野菜の力
2016年12月15日
キャベツの栄養価とその効果!あらためて驚いた強力な美容・健康効果
キャベツは生で食べたり、炒めたり、煮たり、茹でたりとどんな料理にでも使える万能選手です。冷蔵庫に常備している人も多いのではないでしょうか。日頃から何気なく食べているキャベツですが、実は強力な美容効果、健康効果があるんですよ。今回はキャベツの栄養価について詳しく説明していきます。
キャベツの種類
季節のキャベツ
キャベツは種をまく時期によって「春キャベツ」、「秋キャベツ」、「冬キャベツ」の3種類に分けることができます。
春キャベツは春に収穫され、葉の巻きが緩くて内側まで緑色をしているのが特徴です。葉が柔らかく、甘みがあるためサラダなど生で食べるのに向いています。秋キャベツは夏から秋にかけて高冷地で収穫され、高原キャベツとも呼ばれています。
冬キャベツは一般的に出回っている「寒玉」のことで、11月ごろ~2月ごろまでが旬です。葉の巻きが固いのが特徴で、熱を加えると甘みが増し、煮崩れしにくいため、ポトフなどの煮込み料理に向いています。
グリーンボール
コロンとまるい球形で、きれいな緑色をしています。葉は厚みがあるのに柔らかく、甘みがあります。普通のキャベツよりも、栄養素が多く含まれているので、できるだけ栄養を摂りたいのであればグリーンボールもおすすめです。
紫キャベツ
その名の通り、葉がきれいな紫色をしています。レッドキャベツ、赤キャベツとも呼ばれ、大きさは一般的なキャベツよりもやや小ぶりです。強い抗酸化作用を持つアントシアニンを含んでおり、煮ると煮汁が紫色になってしまいます。生で食べるとパリパリとした食感で美味しく、サラダに適しています。
キャベツの栄養
ビタミンC
キャベツにはビタミンCが豊富に含まれています。キャベツ100gあたりに含まれるビタミンCは41mg、グリーンボール100gには47mgで、成人の1日の推奨摂取量の約4割以上に相当します。ビタミンCには抗酸化作用があり、コラーゲンの生成を促進するなど、美容にも健康にも欠かせない栄養素のひとつです。
外側の緑色の葉や芯に近い部分には、特に多くのビタミンCが含まれています。紫キャベツには、キャベツの1.5倍のビタミンCが含まれているんですよ。
ビタミンK
ビタミンKは脂溶性ビタミンのひとつです。血液の凝固促進や丈夫な骨を形成するのに欠かせない栄養素で、キャベツ100gあたり78mgが含まれています。骨粗しょう症などの予防にも効果が期待できますよ。
ビタミンU
薬の名前にもある「キャベジン」と呼ばれるビタミンUは、キャベツから発見されたビタミンです。胃酸の分泌を促したり、胃の新陳代謝を高める効果があります。トンカツを食べに行くとキャベツとセットになっているイメージがありますが、これはキャベツのビタミンUが、トンカツの油っぽさで起こりがちな胸焼けを抑えるためとなっており、しっかりと考えられた組み合わせなんですよ。また、肝臓の解毒作用を助ける働きがありますので、二日酔いにも効果を発揮します。
ジアスターゼ
ジアスターゼは大根に含まれる成分として有名ですが、キャベツの方が多く含まれているそうです。ジアスターゼは、でんぷん分解酵素で、食べ過ぎによる胸焼けや消化不良を予防、改善してくれる効果があります。
紫キャベツにはアントシアニンも
紫キャベツはその名の通り、赤い色が特徴ですよね。これはポリフェノールの一種のアントシアニンが含まれているからです。アントシアニンは抗酸化作用が強いのですが、水溶性なので調理方法によっては、流れ出てしまうこともあります。
実はあまり多くない食物繊維
キャベツは食物繊維が豊富だというイメージを持っている人も多いのではないでしょうか。しかし、実はそれほど多く含まれていません。キャベツ100g中の食物繊維の量は1.8gとなっており、ごぼうの6.1gやブロッコリーの3.7gと比較すると、その少なさがわかりますよね。
成人の1日あたりの推奨摂取量は、男性で20g、女性で18gとなっています。キャベツをたくさん食べても、なかなか推奨摂取量までは届かないんですね。
キャベツの美容・健康効果
免疫力アップ
ビタミンCには免疫力を高めたり疲労を回復する作用があります。免疫力を高めることで、細菌やウィルスが体内に侵入することを防いだり、がん細胞の抑制につながるとされています。キャベツは強い殺菌力を持っており、特にがん細胞や風邪の原因となるウィルスには威力を発揮します。
抗がん作用
キャベツに含まれる「イソチオシアネート」という成分は、発がん性物質の活性化を防ぎ、がんの予防効果が期待される成分です。がんの予防だけでなく、がんになった人たちにも効果があると言われており、「疫学的研究などから現在最もがん予防効果が期待される食品成分」(岡山大学)とされています。アメリカの国立がん研究所でも、キャベツががん予防に効果的だと発表されているんですよ。ビタミンCによる免疫力向上効果とともに、抗がん作用やがん細胞の抑制効果が期待できます。
胃腸の調子を整える
ビタミンUが胃酸の分泌を抑え、胃腸の粘膜を健康に保つ働きがあります。胃の新陳代謝を向上して、傷ついた胃腸の粘膜を修復してくれるため、胃潰瘍や十二指腸潰瘍の予防や治療に高い効果があります。また、胃や十二指腸潰瘍などで出血した場合も、ビタミンKの血液凝固作用により止血して傷口をふさいでくれます。
ストレスに強くなる
ビタミンCには副腎皮質ホルモンの生成を促す働きがあり、精神的なストレスをはじめ、痛みや寒さなどの外的なストレスにも耐える力になります。ビタミンCが不足すると、イライラしやすくなってしまいますので、しっかりと摂取したいですね。
老化防止・アンチエイジング
キャベツに含まれているビタミンCには強い抗酸化作用があります。活性酸素によって起こる体のサビが老化の原因となるのですが、ビタミンCは活性酸素を取り除き、老化を防止してくれます。血管内がサビつくと、動脈硬化が進行したり、脳や心臓の血管が詰まるなどのリスクが高くなります。この抗酸化作用は、肌にも影響し、肌の老化を防いでくれますよ。
美肌効果
ビタミンCはコラーゲンの生成に欠かせない成分です。また、紫外線によるメラニンの生成を抑えてくれるため、シミやそばかすを抑制してくれます。肌のハリを保ち、健康的な肌へと導いてくれますよ。
ダイエット効果
キャベツはキャベツ100gで23kclと比較的カロリーが低い野菜です。ご飯1膳分で約270kcalで、キャベツ1玉分以上のカロリーがあるんですよ。生で食べることでお腹が膨れ、腹持ちも良いので、ダイエット中にはピッタリの食材です。ご飯のかさ増しに使ったり、ご飯に置き換えたりすることでダイエット効果が期待できますね。
美味しいキャベツを食べるために
キャベツの選び方
キャベツを選ぶときは、まずずっしりとした重みで、色が濃くツヤがあるものを選びましょう。重みがあるものの方が、しっかり巻いているため中まで詰まっていますよ。色が濃い方が栄養価が高い傾向にあります。
鮮度を見分けるときは外葉を見てください。外葉がしなびたり色褪せたりしているものは、新鮮ではありません。また、外葉がなく、白っぽい球の状態で売られているものは、古くなって外葉がしなびたため外されたものである可能性がありますので避けた方が良いでしょう。
切ってあるものを選ぶ際には、軸の切り口が新しいものを選んでくださいね。そして、軸が太すぎるものは、葉にある軸の部分も多くなっていますので、軸が太すぎないものがおすすめです。
キャベツの保存方法
キャベツはスーパーのビニール袋などに入れ、キャベツが呼吸できるよう緩く口を閉じて冷蔵庫の野菜室で保存します。丸ごと保存すると、かなり日持ちしますよ。軸をくりぬいて、たっぷりの水を含ませたキッチンペーパーなどを詰めて袋に入れ、野菜室で保存すれは、1ヶ月程度は持ちます。キッチンペーパーは時々新しいものに取り換えるようにしてくださいね。
キャベツを使うときには、必要な分だけを切り取って、野菜室に戻すようにしましょう。切り口は変色してきますので、切り口はできるだけ少ない方が良いでしょう。外側の葉から必要な分だけをはがして使う方法もありますが、中心に近づくほど白い葉になっていきます。
千切りやざく切りの状態で保存する場合は、軽く水にさらし、水気を切ってから保存袋や密閉容器に入れ、冷蔵庫で保存します。できればその日のうちか、次の日までには食べてしまった方がいいですね。
キャベツの賞味期限
キャベツの賞味期限は冷蔵保存で2~4週間程度、常温保存で1~2週間程度と言われています。上手に保存すれば1カ月程度は持ちますので、問題なく使い切れるのではないでしょうか。しかし、カットするとその面が変色してしまうので、その部分は切り落として使うようにしましょう。キャベツにぬめりが出てきたら腐り始めている証拠なので、処分するようにしてくださいね。
効果的な食べ方
長時間水にさらさない
キャベツを水につけると、ビタミンCやビタミンUといった水溶性の栄養素が流れ出てしまいます。ビタミンCは2割ほど減少するとも言われています。水で洗う際には、サッと洗うようにしましょう。
長時間加熱しない
ビタミンCとビタミンUは、熱にも弱い栄養素です。キャベツを加熱するのであれは、できるだけ短時間で済むようにしましょう。栄養素が壊れないようにするためには、炒める場合は最後の方に入れる、茹でる場合は、水に少量の油を加えて沸点を上げ、水が高温になってから一気に茹で上げる、など工夫が必要です。電子レンジをつかって加熱するのも一つの方法です。
スープなら栄養素を丸ごと食べられる
キャベツは生のまま食べるのが一番栄養素を摂取できます。生のままは食べにくいという場合は、スープにすることをおすすめします。スープだとスープに溶けだした栄養素も丸ごと摂ることができますよ。ただし、ビタミンCとビタミンUは熱にも弱いので、加熱時間は短くした方が、効率よく栄養素を取ることができますよ。
キャベツダイエットをするなら
キャベツダイエットとは、食事の前に200g程度のキャベツを食べるダイエット法です。生のキャベツを食べやすい大きさに切って、約10分間かけて噛み続けましょう。時間をじっくりと描けることで、満腹中枢が刺激され、少量しか食べていなくても満腹感を得ることができますよ。
キャベツダイエットでは栄養バランスが偏ってしまったり、飽きてストレスによるドカグイに繋がったりしてしまいがちです。キャベツダイエットをしているとタンパク質が不足しやすい傾向にありますので、豆腐や納豆と言った大豆製品や、豚肉や鶏肉、卵などタンパク質を含んだ食品をしっかりと取り入れるようにしてくださいね。タンパク質が不足すると基礎体力が落ち、反対に脂肪が付きやすくなってしまいますので、注意が必要です。
キャベツの食べ過ぎに注意
甲状腺の病気を引き起こす可能性がある
栄養が豊富で健康にも美容にも嬉しい効果が期待できるキャベツですが、食べ過ぎると甲状腺の機能低下を引き起こす可能性があります。キャベツに含まれるコイトロゲンという成分には、甲状腺ホルモンの分泌を妨げる働きがあり、橋本病などの甲状腺の病気になる可能性があるのです。
便秘
キャベツに含まれる食物繊維は不溶性なので、食べ過ぎることで便秘を引き起こしてしまうことがあります。なんでもそうですが、食べ過ぎるとデメリットもあるということを頭に入れておかなければなりません。
おならが臭くなる
抗がん作用もあるイソチオシアネートという成分は、体内でガスを発生させてしまいます。そのため、一時的にお腹がガスで膨張してしまったり、おならが臭くなったりすることがあります。症状が気になるようであれば、キャベツを夜食べるようにすると良いですよ。
さいごに
私たちの食生活のなかでも特に身近な存在のキャベツですが、美容にも健康にも効果がある野菜だということがわかっていただけたのではないでしょうか。キャベツを食べるだけで、抗がん作用まであるなんで驚きですよね。キャベツなら日常の食事にも使いやすいです。毎日の食生活に上手に取り入れて、キャベツの美容・健康効果を実感したいですね。