野菜の力
2016年12月22日
きゅうりは冷凍・解凍しても栄養は減らない?正しい方法と保存期間
特売品となっていた野菜をついたくさん買ってしまったけど、使い道に困って結局傷めてしまった…という失敗談を多く耳にします。今回テーマとなるきゅうりについても、特に旬となる夏場には、パックされてお安くなったきゅうりを買ってみたくなりますよね。そこで、たくさん買ったきゅうりの保存法として、冷凍にチャレンジしてみてはいかがでしょうか。簡単なコツさえつかめば、きゅうりを長い期間、美味しく味わうことができますよ。
きゅうりの冷凍保存について
きゅうりって冷凍できるの?
まず、「きゅうり=冷凍保存」というイメージが結びつかない、と考えている方が大半を占めるのではないでしょうか。
「きゅうりって冷凍できるか疑問…」
「冷凍したら美味しくないのでは?」
「他の野菜は冷凍保存するけど、きゅうりは冷凍したことがない」
というように、きゅうりの冷凍保存には、第一にネガティブなイメージを抱く場合が多いと予想されます。
きゅうりは保存が難しい!?
きゅうりを買ってきた際は、新鮮なその日のうちに食べることがベストです。なぜならば、きゅうりは他の野菜と比べても保存の難しい野菜に分類されるからです。なぜ保存が難しいかというと、きゅうりに含まれる水分に原因があります。
きゅうりにはたくさんの水分が含まれており、その割合は成分の90%以上といわれています。それ故に、その水分が抜けることですぐに傷んでしまったり、しなびた状態となってしまうのです。このままではせっかく特売となっていても、すぐに使い切ることが難しい状態では、かえってもったいない結果となってしまいますよね。
そこできゅうりの冷凍保存!
あまり聞きなじみのないきゅうりの冷凍保存ですが、嬉しいことに、実際にはきゅうりも冷凍保存をすることが可能なのです。これは裏ワザであるかのごとく、一部の主婦たちが既に活用しているテクニックとなりますので、今回、是非とも覚えていただくことをおすすめします。
きゅうりの冷凍は下ごしらえが肝心!
そのまま冷凍してはNG
きゅうりは冷凍保存が可能である、ということは先程お伝えしましたが、そのままの状態で冷凍庫に入れるのは適切ではありません。そのまま冷凍してしまうと、きゅうりに含まれる水分により、あのシャキッとした食感が完全に失われ、美味しさが感じられなくなってしまうというのです。他にも、水分が多い野菜にはトマトやナスが挙げられますが、これらも、下ごしらえのない状態での冷凍保存は不向きといわれています。
水分を適度に抜くことが大切
きゅうりは、その成分のほとんどは水分といわれており、身体を冷やしてくれる野菜として、食べることで夏バテ防止にもピッタリという利点があります。しかし冷凍保存したいという場合には、その水分は大敵となってしまいますので、適度に抜いておく必要があるのです。
次の項目では、きゅうりのシャキッとした食感はある程度残しつつ、美味しい状態で冷凍保存ができる方法をご紹介したいと思います。
きゅうりを冷凍保存しよう!
塩で余分な水分を出そう
きゅうりの冷凍保存のテクニックとして、一番お手軽なのは塩を使った方法です。準備するものは以下のとおりです。
- きゅうり
- 塩
- ラップ
- ジッパー付きの保存袋
そして、一般的な手順は
- きゅうりを輪切りなど、薄めにスライスする
- 塩をふってしばらく置く
- 水分が出てくるので、軽く絞る
- 小分けにしてラップで包み、なるべく平らにする
- ジッパー付きの保存袋にいれて冷凍庫へ
となります。これなら自宅にある材料で、簡単にできそうですよね。この方法を守れば、冷凍してもきゅうりの美味しさであるシャキッとした食感を保つことが可能となります。
冷凍きゅうりの保存期間について
正しい手順を守れば、冷凍きゅうりの保存期間は約1か月間となります。この保存期間なら、大量のきゅうりを買っても安心して使い切ることができそうですよね。
一方、野菜室にいれた状態のきゅうりでは、ポリ袋に入れた状態で3、4日、キッチンペーパーなどに包み、立てた状態で保存すれば10日ほどの保存期間となるそうです。これらに比べると、冷凍保存のきゅうりは驚きの保存期間といえますよね。
冷凍きゅうりの解凍方法は?
冷凍したきゅうりを解凍するには、室温での自然解凍が最も適切です。解凍時は水分が出ますので、適度に取り除いてから使用しましょう。流水での解凍も可能ですが、ビタミンCなどの栄養素はある程度流れてしまう可能性があります。電子レンジでの解凍は、加熱のし過ぎで食感が失われることがありますので、なるべく避けたほうが無難です。
きゅうりの栄養はどうなるの?
きゅうりを冷凍保存した際に気になることの一つとして、栄養価が落ちないのかと心配になりますよね。流水解凍などで栄養が流れ出る可能性はありますが、冷凍により極端に栄養が落ちてしまう、というデータはありませんので、安心しましょう。
とは言っても、きゅうりの成分はそのほとんどが水分であり、他の野菜に比べても栄養価が高いとはいえないのが実状です実際に、ギネスブックにて「世界一栄養がない野菜」として掲載されたという過去があるほどです。きゅうりに関しては、あまり神経質に栄養についてこだわるよりは、彩りと食感を味わう野菜と考える方が適切なのではないでしょうか。
冷凍きゅうりはさまざまな料理で使える!
冷凍きゅうりは、冷凍時に小分けにしておけば、少しずつ取り出してつけ合わせに利用したり、料理に添えて彩りを加えることもできるので非常に便利です。一番美味しくいただく方法としては、ポテトサラダやマカロニサラダの具材、中華風の和え物に加えるなどするのがおすすめです。
一方、生のきゅうりに比べるとやはり水分量は劣りますので、みずみずしさが問われるサラダなどには、冷凍きゅうりは不向きといえます。サラダには、是非とも新鮮な生のきゅうりを使うようにしましょう。冷凍きゅうりの特性を生かしたレシピなら、幅広く活用することができますし、なんといっても長期間の保存が可能なことがメリットですよね。後ほど、冷凍きゅうりを使った簡単レシピをご紹介していますので、是非ともそちらもご覧ください。
酢&砂糖でも冷凍保存
塩の代わりに、酢と砂糖を利用した保存方法も知られています。先程ご紹介した手順を参考に、「塩」を「酢と砂糖」に置き換えるだけでOKです。こちらは、解凍した際にも酢の風味が効いていますので、きゅうりを甘酢和えにする場合などにピッタリとなります。また、塩分の摂りすぎに気をつけたいという方にも、是非おすすめしたい方法です。
新鮮なうちに冷凍するのがコツ!
長期間の保存が可能となる冷凍保存ですが、これを実現するには、きゅうりは新鮮なうちに冷凍する必要があります。新鮮さを保つテクニックは以下のとおりです。
買ってきたらすぐに冷凍
きゅうりは水分が多い野菜なので、購入したらその日のうちに食べてしまうのがベストです。冷凍の場合もその新鮮さを保つため、購入した当日に行うようにしましょう。
小分けした方が効率よく冷凍できる
同じ容器にまとめて冷凍した場合に比べ、小分けで冷凍した状態の方が、効率よく冷気が行き渡り、素早く冷凍することができるそうです。また、小分けは調理の際にも便利なため一石二鳥!面倒に感じるかもしれませんが、後々、時短調理にもつながるのでおすすめですよ。
袋に入れたらなるべく平らに
刻んだきゅうりは平たい状態にしておくことで、小分けした場合同様、素早く、効率よく冷凍することができます。
急速冷凍しよう
冷凍保存には素早さが鉄則となりますので、冷凍庫に入れた後は、出来るだけ急速冷凍に努めましょう。冷蔵庫に、急速冷凍の機能があればベストです。冷凍モードを「強」に設定するなど、素早い冷凍を意識するようにしましょう。金属の特性である熱伝導率の高さを活用するのもおすすめです。アルミトレイなどをお持ちでしたら、その中にきゅうりを入れてから冷凍庫に入れましょう。さらに素早い冷凍が可能となりますよ。
冷凍きゅうりを活用したレシピや調理法をご紹介!
やっぱり鉄板!ポテトサラダ
冷凍きゅうりは、あらかじめ室温解凍して水分を取り除いておきましょう。ジャガイモをはじめとした野菜は、柔らかくなるまで茹でましょう。にんじんなどの野菜も、細かく刻んで下茹でした後に冷凍保存しておけば、さらに時短となって便利ですね。皮をむいたジャガイモを潰したら、きゅうりを含めたその他の野菜を加え、塩コショウ、マスタードなどで下味をつけます。最後にマヨネーズを加えたら出来上がりです。
マカロニサラダにもピッタリ
食べ応え充分のマカロニサラダにも、冷凍きゅうりはピッタリです。ポテトサラダ同様、室温解凍した冷凍きゅうりは、しっかりと水気を切っておきましょう。
酢の物に冷凍きゅうりを
もう一つ、冷凍きゅうりに最適な料理として酢の物があります。ワカメなどと共にサッと和えて、酢&砂糖で味付けるだけで出来上がるので、あと1品あるといいな、というときにピッタリです。酢&砂糖を使って冷凍したきゅうりはもちろんのこと、塩を使って冷凍したきゅうりも酢の物にすることができます。
酢の物にはタコを加えて
きゅうりとワカメの酢の物には、タコを加えるとさらに美味しく、そしてヘルシーにいただくことができます。タコには抗酸化作用や貧血予防となる成分が含まれる他、冷え性改善にも効果があるため、身体を冷やしがちなきゅうりとは相性抜群なのです。
ツナサンドにシャキッとした食感をプラス
お子様も大好きなツナサンドに、冷凍きゅうりをプラスしてみてはいかがでしょうか。解凍後に水気を切った冷凍きゅうりを、そのままか、さらに細かく刻みます。それをマヨネーズなどで調味したツナに加えてみましょう。最後にパンに挟めば、簡単に、絶品サンドイッチの出来上がりです。
おかかでボリュームアップの和え物に
水気を取り除いた冷凍きゅうりとかつおぶしを、ポン酢で味付けたら立派な和え物に大変身!驚くほど簡単に一品料理が作れてしまいます。
納豆に加えるだけでビタミンアップ!
朝ごはんにおすすめのレシピが、冷凍きゅうりを加えた納豆です。きゅうりと納豆、それぞれの異なる食感を堪能することができるほか、朝ごはんからしっかりと野菜を摂ることができるので、非常に健康的となりますよね。ほんの少しだけ早起きし、冷凍きゅうりを室温解凍しておけば、あとは納豆と和えるだけなのでとても簡単に作ることができます。早起きが苦手という方は、冷凍きゅうりを昨晩から冷蔵室に移しておくことで、同様に解凍することができますよ。
昆布茶があれば浅漬けになる
きゅうりを冷凍する際、塩の代わりに昆布茶を加えると、風味豊かな浅漬けを作ることができます。お好みで鷹の爪などを加えてもいいですね。
あの塩こうじを使った漬物も
話題の調味料「塩こうじ」も、冷凍きゅうりに活用することができます。きゅうり1本の端をカットして塩もみを行った後、一口大に斜めにカットします。ジッパー付きの袋に入れたら塩こうじを加え、軽く揉んだら冷凍庫へ。食べるときは室温で自然解凍しましょう。
炒め物なら解凍不要で調理できる
そのほかにも冷凍きゅうりは、炒め物などの加熱調理にも適しています。炒め物に使うきゅうりは食べ応えを考慮して、通常より大きめに刻んでおいてから冷凍保存するのがおすすめです。加熱調理の最大のメリットは、解凍する手間が省けることにあります。凍ったままフライパンに投入できるので、さらに時短調理となるでしょう。
離乳食用は塩を加えず冷凍庫へ
きゅうりは赤ちゃん用の離乳食にも利用することができますが、ここでもまとめて下ごしらえをして冷凍しておけば、調理の際には時短となって便利です。
まず、きゅうりの皮を剥いたら、ラップに包んでレンジで加熱します。それをペースト状にしてからお湯でのばした後、小分けして冷凍庫へ入れましょう。食べさせる前に冷凍庫から取り出せば、さまざまな離乳食にアレンジすることができます。これなら、忙しいママでも楽々に手作り離乳食が作れますよね。
ただし通常の冷凍きゅうりと異なる点は、塩などの調味料を使用しないことです。生まれたばかりの赤ちゃんには、塩分は身体の負担となってしまうことがあります。大人の冷凍きゅうりとは分けて調理することが大切です。
冷凍きゅうりは節約・時短の強い味方!
他の野菜と比べ、冷凍する習慣があまりないといえるきゅうりですが、ひと手間を加えることにより、便利に、幅広い料理で活用することができる、ということがお分かりいただけたかと思います。スーパーの特売品や、まとめ売りなどできゅうりを大量にゲットした際は、以上の方法でまとめて冷凍保存してみるのはいかがでしょうか。お手軽にひと品を作ることができるので、調理の時短にも一役買いますよ!