野菜の力
2016年11月10日
大根の栄養価にビックリ!驚きの美容・健康効果
煮物に漬物、サラダなど、幅広い料理で大活躍する野菜といえば、まずは大根を想像される方も多いのではないでしょうか。今回は、そんな大根の驚くべき栄養価、そして美容や健康にどのような効果をもたらすのかをまとめました。
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目次
大根について知っておこう
まずは、大根についての概要、そしてその歴史についてご紹介します。
大根とはこんな野菜
大根はアブラナ科ダイコン属に分類され、秋から冬に旬を迎える野菜の一つです。「スズシロ」とも呼ばれ、春の七草の一つとしても数えられています。
一般的に流通しているのは「青首大根」という品種で、煮物はもちろん、生食にも適したみずみずしさが特長です。その他、世界最大級の大きさを誇る「桜島大根」、京野菜の一つとして知られる「聖護院大根」、家庭菜園でもおなじみの「二十日大根(ラディッシュ)」などが有名です。
大根の歴史について
エジプトなどで既に紀元前の頃より食されていたとされる大根ですが、日本への伝来は、弥生時代にシルクロードを経由し、中国大陸より渡ったといわれています(諸説あり)。一般的な生産は室町時代からとなっており、「だいこん」という名称もこの頃につけられたそうです。
その後、「宮重大根」「練馬大根」「桜島大根」「三浦大根」などの「ご当地大根」が、各地で盛んに生産されるようになりました。そして1974年に、宮重大根をベースに開発された「青首大根」は、病気に強く、また収穫となる引き抜き作業が容易なことなどから、次第に生産地は全国区へと広がり、現在は販売される大根の約9割を占めています。
大根には栄養が豊富に含まれている!
次に、大根に含まれる栄養素についてのご紹介です。白い根の部分、そして葉の部分、それぞれに豊富な栄養が含まれていることがお分かりいただけるかと思います。
根は水分が多く低カロリーが特長
白色にあたる根の部分は「淡色野菜」に分類され、そのほとんどが水分です。そのため低カロリーが特長で、ダイエット食としても最適となっています。
その他の成分としては、消化を助け、胃もたれなどにも有効な「アミラーゼ」や、ビタミンC、カルシウム、鉄分なども含まれています。
葉は立派な緑黄色野菜!
葉の部分は、βカロテンが豊富な「緑黄色野菜」に分類され、その他の栄養価も非常に高いことが知られています。βカロテンをはじめ、ビタミンC、ビタミンE、カルシウム、食物繊維など、根の部分と比較しても格段に栄養素が豊富となっており、捨ててしまうのは非常にもったいない、優秀な野菜なのです。
そのため、大根を買う際は出来るだけ葉のついた大きさのものをおすすめします。葉の調理法としては、炒め物などが最適なのだそうです。是非とも一緒に食べていきましょう。
大根の健康効果にはお医者さんもビックリ!?
大根に含まれる消化酵素や、アブラナ科の野菜に多く含まれる抗炎症成分は、人々の健康にさまざまな効果をもたらすとされており、その抜群の効能は、医者いらずともいわれています。
胃腸の調子を整え、消化を助けるはたらき
でんぷん分解酵素の「アミラーゼ」をはじめ、タンパク質分解酵素の「プロテアーゼ」、脂肪分解酵素の「リパーゼ」などを豊富に含む大根は、天然の胃腸薬といっても過言ではありません。これらの酵素の活躍で消化が促進されることで、胃もたれや胸やけなどの不快感を予防するとされています。
あの辛味成分にも抜群の効果が!
大根といえば、あのピリッとした辛味が大好き!という方も多いのではないのでしょうか。その辛味成分は「イソチオシアネート」と呼ばれ、代謝をアップする効果や抗酸化作用などがあるといわれており、健康に良い効果を期待することができます。
生活習慣病予防にも大根を
「高血圧症」や「糖尿病」などを代表とする生活習慣病は、現代の日本において、油断をすれば誰にでも起こりうる状態といえます。そこでさらに心配となるのが動脈硬化です。それらの原因には運動不足やストレスなども挙げられますが、食生活の乱れも大いに関わっているのです。
大根には、根のほか、葉の部分に「ビタミンC」を多く含み、それが活性酸素を除去する効果をもたらします。活性酸素の排出は動脈硬化を予防するとされており、従って、生活習慣病にかかりにくい、健康な身体作りに役立つといわれています。
免疫力アップで風邪予防!
「ビタミンC」や、ビタミンAに変化する「βカロテン」などのビタミン類を多く含む大根は、免疫力向上にも効果抜群といわれています。免疫力が上がることで、風邪やインフルエンザの予防効果が期待できるため、お子様などにも大変おすすめです。
またビタミン類のほか、辛味成分の「イソチオシアネート」には血中の白血球を活性化させる効果があり、これが殺菌作用や消炎作用アップにつながるといわれています。大根のさまざまな成分が、病気予防に役立っているのですね。
便秘予防にもどうぞ!
大根には根、葉ともに「食物繊維」が豊富となっています。摂取することにより腸の活動が活発化され、それが便秘予防につながるのです。また消化酵素による整腸作用により、腸内環境が整えられることで、よりよいお通じを助けるといわれています。
虫歯などの口内炎症にも効果的
大根の辛味成分「イソチオシアネート」の抜群の抗菌力で、虫歯なども防いでしまいましょう。虫歯予防のほか、歯肉炎や口内炎の炎症を鎮める効果も期待することができます。
効果的な方法としては、大根をおろした際の汁で、うがいをするのがおすすめです。もちろん、大根おろしそのものを食べるのも効果的ですよ。
がん予防にもなる!?
日本人の死亡原因の第一位となっているがんは、2人に1人の割合で罹患するといわれています。大根の辛味成分「イソチオシアネート」は、細胞のがん化を防ぐことがわかっており、抗がん剤の成分にも含まれることがある成分です。
またイソチオシアネートには、焼き魚などの焦げ目に含まれる発がん性物質の吸収を抑える効果があり、また、大根の「ペルオキシダーゼ」という成分は、さらにそれを無毒化にするというのです。
焼き魚には大根おろしを添えることが定番となっていますが、それは最高の食べ合わせとして、理にかなったものとなっているのです。
カルシウムでイライラ防止!
特に葉の部分に多く含まれる「カルシウム」は、骨や歯を作る栄養素というのはご存知かと思いますが、身体の生理機能を整えることでも効果的であると知られています。筋肉の収縮を助け、神経伝達物質を放出することで、高血圧の防止や、イライラとした気分を鎮める効果があるというのです。
ストレスは多くの人が抱える悩みとなっており、それが起因することにより重大な病をかかえる危険性もあります。大根パワーでイライラを防止することで、健康的な毎日を手に入れましょう。
その他の栄養素にもさまざまな効果が
ご紹介した健康効果のほか、さまざまな栄養素を含む大根には、あらゆる効果が期待できるとされています。「カリウム」は、老廃物を排出し、腎臓機能を助けるはたらきがあるほか、健康な血液の生成に役立ち、妊婦に必要な栄養素とされる「葉酸」、貧血予防に役立つ「鉄分」なども豊富です。
尚、これらの栄養素は根の部分よりも葉の部分に特に多く含むといわれています。上手に調理して、こちらも美味しくいただきましょう。
アンチエイジングにダイエット…大根には美容効果も!
健康効果のみならず、美容にも効果抜群とされる大根。どのような効果が期待できるのでしょうか。
ビタミンCで美肌を手に入れる!
大根に多く含む「ビタミンC」は、活性酸素を除去する、というのは前述にもご紹介しましたが、そのはたらきは美肌にも大いに関係するといわれています。
まずビタミンCは、肌中のコラーゲン生成に欠かすことができない成分とされています。コラーゲンといえば、言わずと知れた化粧水などにも含まれる美容成分ですよね。肌のしわやたるみを防ぐ効果があり、美肌につながる重要な成分といわれています。
しわやたるみとなってしまう原因の一つに、紫外線があります。紫外線を浴びると体内の活性酸素が活発化し、それにより肌中のコラーゲンが減少、次第にしわやたるみを促進する事態なってしまいますので、美しい肌を保つためには、ビタミンCの摂取は欠かせないといえるのです。
またビタミンCには、シミにも効果があるといわれています。メラニン色素を通常の色素に戻す還元効果のほか、メラニン色素の生成を抑えるはたらきも期待することができます。
しわやたるみ、そしてシミと、あらゆるトラブルを防ぐことができるビタミンCは、老化防止、つまりアンチエイジングに欠かせない栄養素といえるでしょう。
老け顔にさようなら!目の下のクマをなくそう
目の付近には毛細血管が多く、血の巡りが悪いとその部分がくすんだようになります。これが「目の下のクマ」となるメカニズムです。
血行不足には貧血などが疑われます。貧血を予防するには「鉄分」の摂取が欠かせないため、クマがひどいな、と感じたときは、鉄分を多く含む食べ物を摂るようにしましょう。
大根には、根のほか、葉の部分に多くの鉄分を含んでいます。大根を食べることで、美肌効果のほか、老け顔防止にも役立つといえるのではないのでしょうか。
ダイエット食品として最適
大根は、低カロリーながら「炭水化物」などの効果で、腹持ちがよい食品となっています。また、独特の歯ごたえは満腹中枢を刺激し、過食防止としても効果的なため、ダイエット食品としてもピッタリなのです。
そして、先程もご紹介した辛味成分の「イソチオシアネート」には、代謝をアップさせる効果があるといわれています。代謝が上がることでカロリーの消費促進、脂肪燃焼効果アップと、この成分もダイエットに大変役立つとされています。
さまざまな成分にダイエット効果が認められる大根。メタボなどが気になる方は、積極的に摂取していきましょう。
デトックス効果でさらに美しく!
デトックスとは、体内に溜まっている老廃物を排出することをいいます。大根の辛味成分に含まれる「イソチオシアネート」は、肝臓でのデトックス作用を助け、毒素の活性化を防止するなどの高い解毒効果を発揮します。
デトックス効果を促進することにより、身体の中から美しく、を実践していきましょう。
大根の効果的な食べ方とは?
これまで、大根の健康効果・美容効果についてはさまざまなものがあるとご紹介しました。
では、栄養価を壊さず、より効果的に摂取するにはどのような食べ方をすればよいのでしょうか。よりよい調理法や摂取方法については、以下のとおりです。
「生大根」を食べよう!
ご紹介した「アミラーゼ」などの消化酵素や、辛味成分に含まれる抗酸化成分の「イソチオシアネート」は、実は熱に弱い性質を持っています。
煮物など、大根が美味しく感じる食べ方はたくさんありますが、熱を加えた調理法では効果がなくなってしまうのです。効果を最大限に生かすには、生のままでの食べ方が最適といえるでしょう。
大根おろしが一番!
生の大根を美味しく摂取する方法として、「大根おろし」を思い浮かべる方も多いのではないのでしょうか。大根おろしは、消化酵素や「イソチオシアネート」の成分を壊さない食べ方として最もよいとされています。
大根をおろす際は、必ずおろし金を使用しましょう。フードプロセッサーなどを用いると必要な栄養素が失われる可能性があるそうです。
おろしたらすぐに食べよう
大根おろしを作った際は、なるべく早く食べることをおすすめします。時間が経つごとに、ビタミン類や消化酵素などの栄養価が減少してしまうためです。有効成分を効果的に摂取するには、おろしてから10分以内に食べることが理想とされています。
皮は捨てていませんか?
大根の皮は剥いて捨ててしまっている、という方も多いと思います。実は、皮付近は中心部に比べ「ビタミンC」を約2倍含んでおり、食べないのは非常にもったいないことなのです。皮にはそのほか、毛細血管に良い作用があるとされる「ビタミンP」なども豊富となっているため、是非とも皮ごと食べるようにしましょう。
葉はたっぷりと食べられるよう加熱調理を
先述にもあるように、葉の部分は栄養豊富な緑黄色野菜となっています。美味しく、そしてたっぷりと摂取するには、炒める、茹でる、お浸しにするなどの加熱調理がおすすめです。
葉の主な栄養素となる「βカロテン」は、熱にも水分にも強いことが特長となっているため、根の部分と比べ、加熱調理が適しています。普段捨ててしまっているという方は、是非とも葉の部分にも注目していきましょう。
まとめ
ビタミンやミネラルはもちろん、消化酵素や抗酸化成分などを豊富に含む大根は、美容と健康に非常に良い効果をもたらす食品である、ということがお分かりいただけたかと思います。
現在ではスーパーなどで通年買い求めることができるようになっていますので、「胃の調子が悪いな…」「免疫力を高めたい!」など、思い立った際には、すぐにでも摂取してみましょう。