野菜の力
2016年10月24日
ほうれん草は冷凍・解凍しても栄養は減らない?正しい方法と保存期間
野菜はたくさん食べたいところ。共稼ぎ世帯などでは、一週間分をまとめておかず作りをしているご家庭もあるかと思います。こういった理由から、一度にたくさん買ってきて冷蔵庫にストックしていたり、冷凍保存したり……。
安売りしている時に、たくさん買ってきて保存している賢い主婦も多いかもしれません。しかし、保存する時に気になるのが、ストックした野菜の栄養素の減少についてではないでしょうか?。理想は、「安くて、美味しくて、栄養素もしっかりと!」です。
健康にも美容にもプラスであるほうれん草。一年を通して、食べたい野菜の一つと言えそうです。では、保存する時にどのようなことについて注意すれば良いのでしょうか?また、冷凍・解凍した場合、栄養素はどのように変化するのでしょうか?
目次
ほうれん草は冷凍することができます!
ほうれん草は、買ってきてすぐはシャッキリとしていてみずみずしいのですが、保存状態が良くないとすぐにくったりとしてしまうといった特徴があります。恐らく、多くの方が一度は経験あるのではないでしょうか?こういった失敗がある為、ほうれん草を一度にたくさん買ってくることに抵抗があったり、たくさんもらっても良い気持ちがしない方もいるかもしれません。せっかく頂いても、ダメにしてしまう可能性があるからです。
しかし、たくさんほうれん草を買ってきてももらった時も大丈夫です。なぜなら、ほうれん草は冷凍保存することができるからです!しかも、冷凍保存方法もあまり難しくはありません。コツを掴めば、これからは安く売っている時にたくさん買ってきても大丈夫ですし、たくさんもらった時も最後まで美味しく食べることができます。
ほうれん草は、そのまま火を通さない状態で冷凍することもできますし、火を通してから冷凍することも可能。自分が良いと思う方法で試してみてください。また、お料理して味付けをしてから冷凍することもできます。調理してから冷凍しておけば、急なお弁当作りが発生した時も慌てずに体に良い一品を用意することができます。
ほうれん草を冷凍保存の方法
それでは、ほうれん草の冷凍保存の方法について詳しく見ていきましょう。
火を通さずに冷凍するには
フレッシュなままの状態でほうれん草を冷凍する時は、ほうれん草の根の部分を切り落としてからしっかりと水洗いします。この時ザブザブと流水でしっかりと洗うのがお勧めです。こうすることで汚れなどを綺麗に取り除くことができますし、シュウ酸も減らすことができるようになります。洗った後は、水気を切ってからジップロックに入れて、できるだけ空気を抜いて封をします。後は、そのまま冷凍してください。
冷凍したほうれん草を調理する時は、ジップロックから取り出して自然解凍してください。食べやすい長さにカットして、料理しましょう。他にも、電子レンジを使って解凍する方法もありますが、この方法の場合、茎の部分にある筋が気になったり、全体的にくたっとして味が悪くなってしまうこともありますので注意が必要です。また、ソテーしたりおひたしやスープなどに入れたりしても、美味しく食べることができます。お湯をたっぷりと沸かして少しだけ加熱し、その後水にさらしてから軽くしぼり調理すれば、冷凍する前の状態で料理をした時とほとんど変わらない仕上がりになります。
このように、ほうれん草はそのまま冷凍したり解凍したりすることも可能です。予め食べやすくカットしてからジップロックに入れて冷凍することもできます。ただ、できるだけ日持ちさせたい方や美味しく食べたい方は、カットしない状態で冷凍する方が良いでしょう。ほうれん草は、折ったり切ったりしてしまうと、そこから傷みやすくなったり栄養素が流れやすくなってしまうからです。しかしながら、自分が調理しやすい方法で冷凍するのが一番ですから、良いと思う方法を選んでみてください。
火を通してから冷凍する
ほうれん草は一度火を通してから冷凍することもできます。茹でるなどしてから冷凍するメリットは、「シュウ酸」と呼ばれる尿路結石や骨粗鬆症などを引き起こす成分の多くを取り除くことができることです。シュウ酸については、あまり神経質に考えることはありませんが、覚えておくと更に安心して料理したり食べることができます。
加熱してから冷凍する方法は簡単です。お湯をたっぷりと沸かしたら、ほうれん草の根元の方から茹でていきます。通常はここで塩を入れることが多いかと思いますが、冷凍する場合は塩は入れません。葉をお湯の中に入れてから、およそ30秒。すぐにざザルにあげて、冷たい水の中に入れます。その後しぼってから好きな長さにカットして、平らになるようにラップで包んで冷凍してください。ここで注意したいのは、茹でる前に切らずに茹であげてからカットするということ。カットしてから茹でてしまうと、ほうれん草の大切な栄養素がお湯の中に流れ出してしまうからです。
食べる時は、凍っている状態のまま味噌汁やスープに入れても良いですし、半解凍のまま炒めても美味しく食べられます。解凍する際に熱湯をかけて使う方もいますが、この方法だと栄養が流れてしまうのであまりお勧めできません。可能であれば、そのまま調理を始めることをお勧めします。また自然解凍する場合は、室内などで行うよりも冷蔵庫の中で行った方が味が良い状態を保つことができます。栄養面から見た場合も、冷蔵庫の中で解凍した方が良いのでお勧めです。
加熱してから冷凍するメリットは、この他にもあります。ほうれん草は、ご存知のように熱を加えることでかさがぐんと減りますので、冷凍庫の保管場所にあまり余裕がないような時も安心です。たくさん保存する時などは、火を通した方がより多く冷凍保存することができるででしょう。
調理してから冷凍する
調理してアルミカップなどに分けてそのまま冷凍しておけば、お弁当にもすぐ使うことができて便利です。朝お弁当に凍ったまま入れておけば、お昼時間には食べごろに解凍されているはずです。暑い季節には、お弁当の傷みを避けることにも繋がることでしょう。
お勧めのレシピは、ベーコンやコーンとソテーしたり、胡麻あえやおひたしなどです。他にも、茹でて好きな味付けをするのも良いですし、更に手間ひまかけて、ほうれん草グラタンなどを作ってみるのも美味しいです。この他にも、アイデアしだいで色々なレシピに挑戦することができます。冷凍する時は、しっかりと冷めたことを確認してから冷凍するようにしてください。
但し、お弁当用に自然解凍するつもりでほうれん草を調理する場合、注意したいこともあります。一つは、食材にしっかりと火を入れて調理することです。中途半端な加熱では、菌を繁殖させてしまう危険があります。もう一つが、水分がたくさん出るような料理は避けること。これもまた、菌を増やす危険があります。そして、味は少し強めにすることです。
冷凍する時のポイントについて
ほうれん草を冷凍する時は、フレッシュなまま冷凍する時も過熱したり調理してから冷凍する時も、できるだけ空気を抜いて冷凍するのがコツです。これはほうれん草に限ったことではありませんが、空気に触れることが多くなると、どうしても酸化しやすくなってしまいます。ジップロックを使う時もラップなどで包む場合であっても、空気をできるだけ入れないように注意しながら行ってください。
また、できるだけ早く冷凍できるように冷凍庫の温度にも注意することをお勧めします。可能であれば、できるだけ低温に設定しましょう。そして、ほうれん草を塊のように包んで冷したりせず、できるだけ薄く平らになるようにして凍らせます。こうすることで、少しでも早く冷凍できるようになります。
冷凍保存できる期間について
そして、気になる賞味期限についてですが、美味しく安全に食べる為にも一週間程度で食べることをお勧めします。胡麻あえなど調理してから冷凍した場合は、だいたい十日程度。また、美味しく冷凍保存できる目安は一か月間程度です。これ以上長く保存することもできるのですが、味は落ちてきますし安全面から見ても良いとは言えなくなってきます。
ほうれん草を冷凍した場合の栄養素
冷凍保存は確かに便利ですが、栄養素が失われてしまうとなれば、戸惑う方も少なくないかと思います。しかしご安心ください!ほうれん草は、正しい方法で冷凍保存したり解凍、調理することができれば、栄養素を失ってしまう心配はあまりありません。他の野菜の中には、冷凍することで栄養素が減ってしまうものもあるのですが、ほうれん草は違います。
ほうれん草には、豊富なベータカロテンが含まれているのですが、こちらも冷凍によって減少する心配はあまりありません。ビタミンBやビタミンCなども同様です。ですから、安心して冷凍保存することができます。
ほうれん草を冷蔵庫で保存する時のコツ
せっかく美味しそうなほうれん草を買ってきても、保存状態が良くなければ美味しさは当然失われていきます。「とりあえず冷蔵庫に入れておけば安心!」と考えているなら、それはちょっと違うかもしれません。保存方法によっては、味や栄養面から見た場合もったいないことになっている可能性もあります。一番お勧めなのは、買ってきた当日に食べることです。それが難しいような時は、以下のことに注意して冷蔵庫で保存してください。
根を下にして立てて保存する
ほうれん草に限ったことではありませんが、野菜は育っていた状態のままで保存するのが一番良いと言われています。縦に伸びていた野菜を横に寝かせた状態で保存してしまうと、野菜からエチレンガスが出てしまいます。その為、野菜が早くダメになってしまいます。それに、せっかくの栄養素も低下してしまいます。ほうれん草は、立てて保存するようにしましょう。
乾燥を防ぐ工夫をする
ほうれん草をそのまま冷蔵庫に入れておくと、時間と共に乾燥してきます。すると当然味も落ちてきてしまいますし、日持ちもしなくなります。これを防ぐ為には、ほうれん草を袋から出して、水で濡らした新聞紙などでくるんで袋に入れて保存するのがお勧めです。他にも、ジップロックなどに入れて、三分の二程度封をしてから保存するといった方法もあります。ほうれん草は特に乾燥しやすい野菜ですから、注意して保存するようにしましょう。
いずれにしても、ほうれん草はできるだけ早めに食べるのが美味しく食べるコツ。どんなに長くても、買ってきてから一週間以内で食べきるようにしたいものです。
離乳食にも適している
ほうれん草には、葉酸やビタミンB、Cなど栄養も多く含まれていますので、是非食べさせたい食材です。ほうれん草の離乳食も、冷凍保存することができます。ほうれん草はよく洗って、大人がおひたしなどで食べる時よりも柔らかく茹であげます。月齢によっては、葉の部分だけを使うようにする方が良いでしょう。次に、冷たい水にさらしてアクを取り除きます。最後に、水分をしぼって裏ごししたり細かく切ったりします。
ここまでできたら、一食分ごとに分けて冷凍保存しましょう。または、茹でたほうれん草をそのままラップなどに包んで冷凍。食べる時に、凍ったまま細かく刻んだり、すりおろすといった方法もあります。後は、月齢に合わせて調理するだけです。自分が便利だと思う方法で試してみてください。
冷凍した離乳食は、一週間以内で使い切るようにしてください。食べきれなかったものは、処分するようにしましょう。そして、必ず加熱してから食べさせるようにしましょう。くれぐれも自然解凍はしないようにしてください。離乳食の場合、自然解凍してしまうと菌が繁殖してしまう危険もあります。赤ちゃんはまだ大人のような免疫力がありませんので、口に入れるものには気を付けてあげる必要があります。解凍する時は、鍋で煮たり電子レンジで温めるなどの方法で行うようにしましょう。
また、一度解凍してしまったものを再度冷凍するのは控えるようにしてください。
まとめ
ほうれん草は、冷蔵でも冷凍でも、正しく保存することができれば味も栄養素もほとんど失うことなく美味しく食べることができる食材です。ちょっとしたコツで、より良い状態で保存することができますし、長持ちさせることもできます。ほうれん草は豊富な栄養素が魅力的な野菜ですから、これからも是非色々な料理に活かして頂きたいと思います。