野菜の力
2016年12月15日
アロエの栄養価とその効果!あらためて驚いた強力な美容・健康効果
アロエは食べて良し、塗って良しの万能薬と言われています。「火傷や日焼けをしたらアロエがいい」なんていう話もよく聞きますよね。そんなアロエの栄養価やその美容効果、健康効果について、詳しく解説していきましょう。
目次
アロエの種類
アロエとはユリ科アロエ属の植物で、園芸品種を含めると300以上もの品種があります。その中でも、特によく見かけるのが「キダチアロエ」と「アロエベラ」ですね。
キダチアロエ
キダチアロエは、ゼリー質の部分が少なく、トゲのある細かい葉が特徴です。食用として使われることが多く、便秘に良いとされる「アロイン」が多く含まれています。日本でも栽培されており、街中でも良く見かけるアロエがキダチアロエです。鎌倉時代にはすでに、アロエが漢方薬として使われていたという記録があります。
アロエベラ
葉が大きくて厚いためゼリー質の部分が多く、ヨーグルトやドリンク剤といった健康食品や化粧品など、幅広く使われています。その効果から、クレオパトラは、アロエベラの液を体中に塗っていたという説もあるそうですよ。アメリカやメキシコで多く栽培されており、海外での「アロエ」はアロエベラのことを指しています。
アロエの栄養素
アロエには多くの有効成分が含まれています。アロインやアロエエモジン、アロエマンナンなどアロエ特有の成分に加え、ビタミン類やミネラル類、アミノ酸類といった体に必要な栄養素もたくさん含まれているのです。アロインはアロエの外側に含まれており、胃腸の働きを活発にしてくれます。葉肉に腹案れるアトエウルシンという成分には抗炎症、抗潰瘍作用があり、胃潰瘍や十二指腸潰瘍に効果があると言われています。
食品会社の研究により認められた効果
ある食品会社では、アロエベラのゼリー質部分に含まれる植物ステロールのを含む食品を摂取することで美容にどのような変化が起こるかが研究されていました。その結果、アロエベラでは多くの効果が認められたんですよ。
美肌効果
一部に美肌効果があることが認められました。乾燥肌に悩む40歳以上の女性グループを対象に、アロエのステロール0.04mgをむ食品を8週間摂取してもらう実験を行ったところ、腕の皮膚の水分量が増加したそうです。また、光老化予防効果を検討する実験でも、紫外線を照射した後、皮膚から逃げていく水分量が、コラーゲンやセラミドを摂取した場合と比べて少ないことが認められています。アロエのステロールは、皮膚の水分量を増やし、紫外線ダメージによって失われる潤いを守ってくれるんですね。
シワ予防
上でも説明した食品会社の研究では、目じりのしわの深さが2.5%軽減されていることも確認されました。紫外線を浴びるとシワの形成が促進されてしまいます。エイジングケアとしてコラーゲンやセラミドが配合されている化粧品も良く見かけますが、アロエのステロールを摂取した場合は、コラーゲンやセラミドを摂取した場合以上に、紫外線によるシワの形成が少なく、深いシワの形成が抑えられがそうです。アロエのステロールには、紫外線で形成される深いシワを予防し、乾燥から形成されるシワを軽減してくれる効果があるのです。
ごわつき・くすみ抑制
長時間の紫外線は、シワの原因だけでなく「表皮肥厚」と呼ばれる現象を起こします。皮膚のターンオーバー異常で、肌のごわつきやくすみの原因のひとつとなります。上記の研究では、アロエのステロールを摂取することで、紫外線による表皮肥厚が抑制されていることが確認できました。つまり、紫外線が原因となるごわつきやくすみを抑制できる可能性があるのです。
アロエのステロールは、こう働く
口から摂取したアロエのステロールは、一旦小腸で吸収され、肝臓に取り込まれます。肝臓は成分を取込んだ後、徐々に血液中に放出し、血液と共に各組織に運ばれるのです。真皮にまで到達し、真皮に存在する線維芽細胞を活性化することで、体内でのコラーゲンとヒアルロン酸の生産を促すと考えられています。化粧品の成分が外側から到達するのは、一般的に表皮までと言われていますが、アロエのステロールを口から摂取することで、体の内側から美肌効果を得ることができるんですよ。
体脂肪の蓄積を防ぐ・体脂肪を減らす効果も
肥満モデルにアロエのステロールを毎日摂取させたところ、8週間後には体脂肪率の減少が認められました。また、内臓脂肪や皮下脂肪の蓄積も抑えられているという結果が出ています。血中の中性脂肪やコレステロールなども上昇が抑えられており、脂質代謝改善の効果が期待できます。
糖尿病予防にも効果的
同じ研究で、血糖値の実験もされており、アロエのステロールを毎日経口摂取した後に血糖値を測定したところ、血糖値の上昇が抑制されていることがわかりました。糖負荷実験においても、糖負荷15分後のインスリン値が高くなっているため、糖尿病予防やインスリン抵抗性を改善する作用があるという結果が得られています。
製薬会社の研究でも美肌効果が認められている
或る製薬会社では、アロエベラの液汁が起こす皮膚への作用が研究されています。アロエベラを含む培地で実験を行ったところ、アロエベラの液汁が皮膚の細胞に作用し、美肌に効果があることが認められました。
ターンオーバーの促進、細胞接着因子の増加、皮膚の構築に対して、作用があったそうです。ターンオーバーの乱れは肌荒れの一因とも言われており、ターンオーバーは美肌に欠かせません。また、細胞接着因子が増加することで、皮膚構造が強くなり、肌荒れなどの肌トラブルが起きにくくなります。アロエベラは、バリア機能の高い皮膚構造の形成を促進するので、細胞が詰まって整った美肌へ導いてくれるのです。
アロエの美容・健康効果
腸内環境を整える
腸内の悪玉菌が増加すると腸内環境が悪化し、便秘や老化、生活習慣病の原因になります。アロエに含まれるアロインなどは、腸内の水分量を増やし、蠕動運動を活発にしてくれます。また、アロエに含まれる多糖体が、善玉菌の働きを活発化させ、腸内の調子を整えてくれます。腸内環境を整えることで、便秘や生活習慣病などの予防に繋がるのです。腸内環境は、肌トラブルの改善や美肌にも直接影響を与えますので、もちろん美肌にも繋がりますよ。
胃の健康を保つ
胃潰瘍になると胃の粘膜はただれ、ときには胃壁から出血を伴うこともあります。アロエに含まれるアロエウルシンという成分は、胃壁の表面を覆うので、傷ついた胃壁を胃酸から守り、痛みを緩和してくれます。アロエには血液を固める働きもあるので、胃壁からの出血を止める効果も期待できますよ。また、アロインやアロエモジンという成分は、胃液の分泌を促進してくれるので、胃もたれや消化不良にも効果を発揮します。
やけどなどの傷を治癒する
やけど(重度ではなく皮膚が赤くなる程度のもの)をした部位にアロエベラのゼリー質部分を塗ると、局部の熱はおさまり、炎症を抑えてくれます。炎症を押さえてくれるのはサリチル酸で、そこにビタミンCや多糖体、糖タンパクなどが皮膚の細胞を活性化し、皮膚を修復・再生することでやけどを治してくれます。アロエベラに含まれる様々な成分が相乗的に働きかけることで細胞を元気にしてくれるのです。
免疫機能を調整
アロエベラには、私たちの体に備わっている免疫機能を調整する働きがあるとも言われています。免疫機能が正しく働くと、ウィルスや細菌から体を守ることができ、風邪やウィルス性の病気にかかりにくくなります。インフルエンザなどを発症する可能性が低くなりますよ。また、試験管レベルの実験では、ナチュラルキラー細胞を活性化させたという報告もありますので、もしかしたら、抗ガン効果も期待できるかもしれませんね。
抗酸化作用
老化や病気の原因となる活性酸素。私たちの体には、抗酸化機能が備わっていますが、年齢と共に衰えてしまうので、抗酸化作用のある食品などを積極的に摂取したいですよね。アロエベラには抗酸化作用を持つ成分が含まれています。体内の活性酸素を除去し、体を若々しく保ってくれます。活性酸素はお肌にも大敵です。抗酸化作用は、健康にも美容にも嬉しい効果ですね。
効果的な摂取方法
アロエは、ジュースやサプリメントで摂取することもできますし、生のまま食べることもできます。生のまま食べるときには、外側をきれいに取り除いて、内側の葉肉部分のみを食べるようにすると食べやすいですよ。すりおろしてしぼり汁を摂取するという方法もあります。外皮には、アロエ独特の苦みがあります。自分の好みの方法で摂取することができますが、どの方法で摂取する場合でも、必ず摂りすぎに気を付けてくださいね。外用として使用する場合は、外皮を取り除いて、葉肉の部分を肌に貼り付けるようにしましょう。
注意事項
アロエを使ってはいけない人
下記に該当する場合はアロエの使用は避けましょう。
- 妊娠中や授乳中
- 月経時
- 腸閉塞
- 虫垂炎
- 大腸炎、過敏性大腸症候群
- 腎臓病
- クローン病
- 12歳以下の子ども
該当する項目はありませんでしたか?上記に該当する人がアロエを使用すると、病気を悪化させたり重大な副作用が起きたりします。命に関わる可能性もあるので、該当する人は使用しないようにしてくださいね。また、アロエは体を冷やしてしまうので、冷え症の人や体力が弱っている人も摂取は避けた方が良いでしょう。アロエは民間薬ですが、効き目が強いものなので、他の生薬等を使っている場合は、使用しないようにしましょう。
食べる場合は量と期間を必ず守って
実はアロエの過剰摂取はアレルギー反応やけいれんを引き起こすことがあります。医師の指導なしに2週間以上の連続摂取は避けるように言われている国もあるんですよ。アロエの1日の摂取量は、キダチアロエの葉で15g、アロエベラで60gとなっています。アロエベラ100%ジュースの場合は30ml程度です。
連続摂取する場合は8~10日以内にしましょう。期間を超える連続摂取は、腎臓障害を引き起こし、死に至る可能性があります。必ず摂取量と期間を守りましょう。サプリメント等でアロエの成分を摂取する場合は、特定保健用食品(トクホ)もしくは栄養機能食品を選び、記載されている用法、用量を必ず守らなければなりません。もし体調に異常が現れた場合は、すぐにアロエの摂取を中止し、病院に行ってくださいね。
皮膚に塗る場合はパッチテストを
皮膚に塗る場合は、命に関わるような副作用はありませんが、皮膚が赤くなったりかゆみが出ることがあります。いきなり肌の広範囲に塗ってアレルギーを起こしては大変ですよね。使用前にパッチテストを行いましょう。アロエの葉をすりつぶして、二の腕の内側に1cm程度の大きさに塗って、30分後、12時間後、24時間後に確認してみてくださいね。途中で赤くなったり、かゆみが出てきたらすぐに洗い流しましょう。24時間たっても赤身やかゆみが出ていなければ、外用として使っても大丈夫だと言えます。ただし、連続使用は避けた方が良いでしょう。
少量からはじめよう
アロエには様々な成分が含まれています。摂取しすぎると効きすぎたり副作用の心配があります。はじめは少量からスタートしましょう。穏やかな効き目で副作用の心配が少ない状態で様子を見て、徐々に量を増やしたり濃度を濃くしたりと調整をしていくのがベストです。生で食べる場合は5g程度、乾燥した物であれば0.2g程度から始めると安心です。
生の葉を利用するときは、ゼリー質の部分からスタートして、問題がなければ、葉っぱをすりおろしたしぼり汁の上澄み、それでも大丈夫あれば、絞り汁自体、と進めていくと、徐々に効き目も強くなります。その分副作用が出るリスクも高くなりますので、体調と孜男子ながら、最大容量や日数を守って使用してくださいね。
正しく使えば効果を実感
「医者いらず」とも言われるアロエ。昔から「アロエは何にでも効く」と言われていたのは、間違いではありません。しかし、副作用があることも事実です。きちんとアロエの効果を実感したいのであれば、正しく使うことが大切です。アロエの効果と正しい使い方をしっかり身につけて、正しく上手に摂取したいですね。