野菜の力
2016年11月10日
大根サラダの栄養に驚き!ピロリ菌を退治して腸内環境を正常化
野菜がたっぷりと摂れる新鮮&シャキッとしたサラダは、身体の中から健康になれる気持ちになりますよね。
今回は、サラダの中でも居酒屋などで人気の「大根サラダ」をテーマに、大根の驚くべき栄養素や、美容にも有効な成分、そしてあのピロリ菌を退治するための効果的な食べ方などについてご紹介します。
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大根サラダを食べよう
大根サラダとは、千切りなどに刻んだ生の大根をメインとしたサラダのことをいいます。淡泊な味わいの大根はどの野菜とも相性抜群で、ドレッシングの種類によって和風・洋風・中華風など自由自在なのも嬉しいですよね。居酒屋などでは定番メニューとなっているほか、ご家庭でも、一年を通して簡単に作ることができるお手軽メニューでもあります。
大根の栄養はすごい!
ここで、大根に含まれる栄養素についておさらいしておきましょう。
大根には健康に欠かせない成分が豊富に含まれており、古くより「医者いらず」ともいわれています。健康によいばかりではなく、アンチエイジングにも効果があるそうですよ。
豊富なビタミン類
抗酸化作用があり、免疫力アップや美肌効果が期待できる「ビタミンC」は、大根の根の部分と葉の部分共に、豊富に含まれています。
また、葉の部分に主に含まれる「βカロテン」は、摂取すると「ビタミンA」に変化する栄養成分で、動脈硬化や心筋梗塞などを防ぐはたらきがあるとされています。
食物繊維で便秘予防
腸のお掃除に欠かせない食物繊維は、大根の根、葉共にたっぷりと含まれています。食物繊維は熱で壊れることがないので、煮物などにしてたっぷりと食べてもいいですね。
イライラも抑えるカルシウム
骨や歯を生成するほか、生理機能を調整するはたらきも持つカルシウムは、根にはもちろん、葉の部分には根の約10倍ものカルシウムが含まれているそうです。その他、カルシウムにはイライラを抑える効果があるのをご存知ですか?神経の刺激伝達に作用することで神経機能が安定し、それがイラっとした気分を鎮めるというメカニズムになっています。
カリウムは高血圧や夏バテ防止に
ミネラルの一つとして知られるカリウムは、根・葉共に豊富に含まれており、高血圧症の予防や、むくみ解消、筋肉の収縮を促す効果があるとされています。
また、特に夏は汗をかくことで体内のカリウムが排出されてしまいますので、大根を食べることでそれを補うことができるのだそうです。
妊婦さんに欠かせない葉酸
血液成分である赤血球やヘモグロビンの生成に関わるほか、細胞の増殖をたすける作用がある葉酸は、妊婦さんが積極的に摂取してほしい栄養素として知られています。葉酸は熱に弱い成分となりますので、効果的に摂取するには大根は生のままで食べた方がよいでしょう。妊婦さんにも大根サラダはおすすめです。
消化酵素がたっぷり
大根の有効成分として代表的なのが、消化をたすける酵素たちです。でんぷん分解酵素の「アミラーゼ」、タンパク質分解酵素の「プロテアーゼ」、脂肪分解酵素の「リパーゼ」が作用し、胃腸のはたらきを整えるといわれています。
辛味成分のイソチオシアネートに注目
大根のピリッとした辛さ成分は「イソチオシアネート」と呼ばれ、抗酸化作用によるアンチエイジング効果のほか、血液サラサラ効果、殺菌作用など、幅広く活躍する注目の成分です。
殺菌作用では、胃の粘膜に生息していると悪影響を及ぼす「ピロリ菌」、腹痛や下痢の原因にもなる「大腸菌」などにも作用することがわかっており、健康な身体づくりには欠かせない成分といわれています。
生で食べないと効果がない場合も
加熱した大根ももちろん美味しいのですが、熱を加えることで消失してしまう栄養素もあるそうです。先程ご紹介した葉酸のほか、ビタミンCやカリウム、消化酵素、そして辛味成分のイソチオシアネートなどは、熱や水分と共に効果が弱まってしまう成分といわれています。
大根は生で食べるのが一番!
これらの栄養を効果的に摂取するには、大根は生の状態で食べることが一番とされています。今回のテーマである大根サラダは、美味しく、さらに栄養を最大限に摂ることができる非常に良い調理法といえますね。
その他、大根おろしなども生で食べる大根料理として知られていますが、どうしても辛さが際立ち、小さなお子様などには食べにくいものとなっています。
一方の大根サラダなら、さまざまな野菜などと組み合わせても美味しいですし、ドレッシングなどをかければ甘味のあるサラダに仕上げることもできます。自由自在に味付けし、お好みの大根サラダを作ってみてはいかがでしょうか。
大根はピロリ菌殺菌に効果的!?
ピロリ菌って何?
ピロリ菌は「ヘリコバクターピロリ」とも呼ばれ、胃の粘膜を中心に生息する細菌の一つとなっています。
日本人では50歳代以上の80%が感染しているといわれており、非常に身近な細菌です。唾液などから感染することから、大人から子供への食べ物の口移しなどで注意が必要となっています。
ピロリ菌が及ぼす悪影響について
ピロリ菌は胃の粘膜を傷つけるといわれており、それが慢性胃炎、胃潰瘍、十二指腸潰瘍などを引き起こします。また胃がんの発症にもピロリ菌は関わっているとされ、WHO(世界保健機関)は、1994年にピロリ菌を発がん因子として認定しています。
ピロリ菌は除菌できる
胃の疾患に深く関わるピロリ菌は、薬により除菌することが可能となっています。調査によると、ピロリ菌除菌を行った早期胃がん治療後の患者は、除菌しなかった患者と比べると、胃がんの発生を約3分の1に抑えることができたそうです。
除菌には副作用の心配も
ピロリ菌除菌については、主に2種類の抗菌薬に、胃酸の分泌を抑える薬を加えた3種類の薬を服用します。正しい服用法を守れば除菌効果は75~90%の成功率となっていますが、発熱や下痢、味覚異常などの副作用も報告されています。またこの抗菌薬はとても作用が強く、胃や腸に生息する善玉菌までも殺菌してしまうそうなので、注意して服用する必要があるでしょう。
大根サラダなら副作用の心配なし!
大根の辛味成分である「イソチオシアネート」には殺菌作用があり、ピロリ菌の殺菌にも効果があるとされています。このイソチオシアネートは加熱することで効果がなくなってしまいますので、生のままの大根を食べる必要があります。大根サラダなら、他の野菜などと一緒に生の大根をたっぷりと食べることができますので、大変おすすめです。
ピロリ菌の除菌には薬の服用が効果的ですが、薬なのでどうしても前述のような副作用を懸念してしまいます。しかし、一方の大根ならそのような副作用はありませんので安心ですよね。
あらゆる効果で腸内環境を改善
イソチオシアネートには、ピロリ菌の殺菌作用のほか、腸内に潜み腹痛や下痢などを引き起こす大腸菌も殺菌するといわれています。それに加え先程、大根には豊富な消化酵素、そしてたっぷりの食物繊維が含まれていることもご紹介しましたよね。
消化酵素や食物繊維、そしてイソチオシアネートの殺菌作用により胃や腸の状態を良好にする効果が期待できますので、大根は腸内環境改善にピッタリの食材といえるのです。
美味しく食べよう!大根サラダ
シンプルに刻んでドレッシングをかけて…。これだけでも十分美味しい大根サラダとなりますが、少しの工夫や食べ合わせで、より美味しく、そして効果的に生の大根を食べることができます。また、毎日食べても飽きのこない、さまざまな調理方法もご紹介していきたいと思います。
大根は部位によって味が異なる
大根を調理するにあたり、部位による味の違いも知っておくとよいでしょう。一般的に、大根には以下のような特徴があります。
葉に近い部分
辛味が少ないが硬い…大根おろしやサラダに
真ん中の部分
甘味が強く軟らかい…煮ものやおでんに
先端の部分
辛味が強く硬い…味噌汁やスープ、漬物に
大根サラダには葉に近い部分が最適
今回のテーマである大根サラダには、辛味が少ないが硬さのある葉に近い部分がピッタリとされています。もし大根を1本丸ごと買ってきた、という場合は、その部分をサラダにすることをおすすめします。
しかしこれはあくまでも目安であり、お子様のいる家庭では軟らかい真ん中部分、ピリッとした辛さがお好みという方は先端部分をサラダにしても良いですね。さまざまな部分で試して、お好みの大根サラダを作りましょう。
大根サラダには新鮮さが一番!
大根サラダは生のままいただくため、他の大根料理に比べ新鮮さが問われます。大根おろしをはじめ、その他の大根料理に使う大根は冷凍保存が可能ですが、サラダは食感が第一となりますので、冷凍は控えた方が無難です。サラダにする場合は、大根を購入したらなるべく早めに食べましょうね。
切り方にも一工夫
みずみずしさが魅力の大根サラダですから、少しでもシャキッとした食感を味わいたいですよね。切り方や下ごしらえに一工夫をして、さらに美味しくいただきましょう。
①皮は厚めに剥く
皮の周りは繊維質が豊富なため、皮は厚めに剥いた方が歯触りのよいサラダとなります。しかし、皮の部分はビタミンCをはじめとした栄養価が非常に高くなっていますので、捨てずに他の料理に活用しましょう。きんぴらなどにするのがおすすめです。
②繊維方向になるよう縦にして板状に切った後、千切りに
繊維に沿って切ることで繊維が壊れず、シャキッとした食感となります。ここでのポイントは、1~2mmほどの薄さで切ることです。薄く切った方が食べやすい千切り大根となるほか、殺菌作用のあるイソチオシアネートがより活性化するそうです。千切り専用のスライサーなどもおすすめですよ。
③水にさらす
千切りした大根は、引き締まった食感になるよう水にさらします。氷水ならなお効果的です。しかし、ビタミンCなどの栄養は水に触れることで流れ出てしまう性質を持っています。長時間さらすことは避け、軽くくぐらせる程度でもよいでしょう。
調理したら早めに食べよう
大根を切ることにより殺菌作用のイソチオシアネートの活動が活発化しますが、時間が経つにつれ、その作用は弱まることがわかっています。効果的にイソチオシアネートを摂取するには、大根サラダを作った際早めに食べることを心がけましょう。
食べ過ぎには注意しましょう
大根は身体を冷やす効果を持つとされているため、夏場の熱中症予防にピッタリの食材といわれています。
しかし、寒い季節や冷え性の方が食べる際は、過剰に身体を冷やす心配があるため、気をつけて食べる必要があります。また食べ過ぎると、まれに下痢などを起こすことがあるため、注意しましょう。
温め効果のある食材と食べよう
大根サラダに添えるものとしてベストマッチなのが、身体を温める効果を持つ食材です。大根は身体を冷やす性質を持っていますので、このような組み合わせを心がけるようにすると、過剰に身体を冷やすこともなくなるでしょう。
身体を温める効果がある食材として、野菜ではにんじん、玉ねぎ、山芋などがあります。まぐろやほたてなどの海鮮類、鶏ささみなども大根サラダに合いますね。
また、ドレッシングにも温め効果のある材料を取り入れると、さらに効果は倍増します。ショウガ入りドレッシング、ラー油入りの中華ドレッシング、明太子ドレッシングなども効果抜群です。
どのジャンルの料理にも大根サラダを
大根サラダは、その他の食材やドレッシングに変化をつけることで、和食・中華・イタリアンなどさまざまなジャンルに対応します。
①和食におすすめの大根サラダ
ポン酢でさっぱり
刻みのりやかつお節をのせて
梅肉やワサビドレッシングをかけて
②その他の料理にもピッタリの大根サラダ
きくらげを添えて中華風に
ナムルの味付けで韓国風に大変身
ワインビネガーでイタリアン風にも
新鮮な大根さえあれば、残り物の食材で美味しい大根サラダを作ることができます。バリエーションを増やせば、毎日食べても決して飽きることはありません。
まとめ
アンチエイジングにも効果を発揮するビタミン類、健康効果抜群の消化酵素、ピロリ菌まで殺菌するイソチオシアネートなど、生の大根にはあらゆるプラス効果があることがお分かりいただけたかと思います。
そして、生の大根を美味しくいただくには、どんな料理にも相性ピッタリの大根サラダがおすすめです。お好みの味付けにより変幻自在な大根サラダは、お子様からお年寄りまで、皆が喜ぶサラダの代表格です。是非とも毎日の食卓に取り入れてみましょう。