野菜の力
2016年11月10日
大根は冷凍・解凍しても栄養は減らない?正しい方法と保存期間
大根を丸ごと1本買ってきたけれど、使い切らずにいつの間にか傷めてしまっていた…という経験はありませんか?そんなときは新鮮なうちに冷凍保存して、便利に、そしていつでも美味しくいただきましょう。
今回は、大根の冷凍保存について、正しい冷凍・解凍方法や、美味しさや栄養を保つためのコツなどについてご紹介していきたいと思います。
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大根を冷凍保存しよう!
大根を冷蔵庫に入れたままにすると…
大根は、購入したら冷蔵庫の野菜室に保存する、という方も多いでしょう。しかし、そのまま冷蔵保存していると水分が失われていくため、徐々に美味しさが失われていきます。賞味期限は1週間ほどとなるため、1本を食べきるには、毎日の献立を考えるのはひと苦労となってしまうでしょう。
冷凍保存なら長期保存が可能
一方、今回おすすめしたい冷凍保存は、正しい方法で保存すれば、約1か月もの間美味しさを保つことができるようになるそうです。これなら、慌てて大根を使い切る必要もありませんし、1か月間新鮮なまま味わうことが可能となりますよね。
冷凍は、時短調理の強い味方!
毎日の家事の中で、炊事にはかなりの時間を要する、という方も多いかと思います。しかし節約のためには外食ばかりというわけにもいかず、また、調理の度に野菜を切るのは面倒、と感じても、栄養たっぷりの献立には野菜が欠かせません。
そんな時、あらかじめ刻んでおいた大根を冷凍しておけば、調理の際、そのまま鍋に投入することができるのでとても便利です。例えば、忙しい朝でも刻んで冷凍保存しておいた大根を使えば、包丁を使わずにササっと味噌汁を作ることだってできるのです。
大根の冷凍保存は、忙しい主婦の強い味方!是非習慣にして、時短調理に活用してみてくださいね。
味がしみ込みやすく変化!
大根を冷凍すると、細胞破壊などの変化が生じます。生の状態と比べ食感なども変わっていくため、冷凍した大根はサラダなどには残念ながら不向きです。
しかし、その細胞破壊は大根を軟らかく変化させるため、調味料などの味がしみ込みやすくなるメリットがあります。煮物などに利用する際は、短時間で調理することができるため、とても便利ですよね。
栄養はどうなる?
大根の冷凍保存で気になることの一つに、栄養価が壊れないかということがあります。大根には、美容や免疫力に効果的な「ビタミンC」、消化酵素の「アミラーゼ」「プロテアーゼ」「リパーゼ」、辛味成分に含まれる抗酸化作用抜群の「イソチオシアネート」などの豊富な栄養素が含まれています。せっかくのこれらの貴重な栄養素が、冷凍することにより失われてはもったいないですよね。
しかし実は、正しい方法で冷凍保存すれば、これらの栄養は保たれたまま美味しくいただくことが可能なのです。お得に、栄養たっぷりに長く楽しむためにも、冷凍保存の適切な方法を知っておくとよいでしょう。
大根の冷凍方法!ポイントは?
切り方について
はじめに、必ず葉の部分と根の部分を切り分けましょう。そのままにしておくと、葉の部分より水分がどんどん失われていき、切り分けたときよりも劣化スピードが速まるといわれています。冷凍保存に限らず、冷蔵保存の場合もこちらは欠かさずに行っていきましょう。
さて、ここからは冷凍保存で是非行っていただきたい切り方です。
例えば、おでん用には3~4㎝の厚さで輪切り、味噌汁用には薄めのいちょう切り、というように、用途に合わせて切り方を揃え保存しておくと便利です。どの料理に使うか決まっていない場合も、ある程度の大きさに揃えて切っておくようにしましょう。
水分を逃がさないために
大根を切ると表面より水分が徐々に失われていきますので、速やかに保存することが鉄則です。
輪切りなどの場合はラップで包む、細かく刻んだ場合はジッパー付き袋に入れるなどして、水分が逃げないように密封することを心がけましょう。
平らに揃えて袋や容器へ
冷凍ムラを無くすため、大根は平らに揃えてから冷凍庫へ入れましょう。このようにすれば、均等に冷凍することが可能となります。
下茹でしてさらに美味しく
大根は生のままでも冷凍保存が可能ですが、下茹でした方が、いくつかのメリットがプラスされるようです。
下茹でのメリットその①味が染みこみやすくなる
下茹でのひと手間はありますが、実際調理をする際にはさらに味が染みこみやすくなるため、ますます時短調理につながります。
下茹でのメリットその②美味しさがアップする
大根の独特な臭みやえぐみが取れ、まろやかな味わいになります。
下茹でのメリットその③変色を防ぐことができる
生のまま冷凍する場合に比べ、変色を防ぐことができるといわれています。美味しくいただくためにも、鮮やかな白色は保っていきたいものです。
また、大根の下茹でには米のとぎ汁を利用すると、臭みやアクが取れやすく、味の含みが良くなり、ますます美味しい大根になります。また、とぎ汁に含まれるでんぷん質を大根が吸収することにより、より甘味とうま味が増すといわれているのです。
とぎ汁が用意できないときは、適量の米をお茶パックなどに入れて一緒に茹でると同様の効果となりますので、是非とも試してみてくださいね。
調味料で味付けしてから保存すると…
煮物用としておすすめしたいのが、調味料で漬け込んで冷凍する方法です。2~3㎝に揃えて切った大根に、合わせ調味料(例:しょう油、砂糖、みりんなど)を加えて冷凍庫に入れて保存します。
これにより、大根の水分と調味料の成分が結びつくことで凍りすぎる現象を防ぎ、冷凍することによる大根の細胞破壊を最小限に抑えることができるといわれています。
冷凍した大根は、生の状態から調理する場合に比べると、やはり多少の食感の変化が生じてしまいます。調味料の成分で細胞破壊を防ぐことができれば、さらに美味しさを保つことができそうですね。
できるだけ急速冷凍を
大根の冷凍保存で心がけていただきたいことの一つに、急速冷凍があります。短時間で冷凍させることにより、栄養価をより壊さずにキープすることができるからです。
冷蔵庫の冷凍モードはなるべく「強」に設定するほか、急速冷凍専用の冷凍室があれば、是非とも利用しましょう。専用の冷凍室がない場合も金属製のトレーなどを活用すれば、効率よく急速冷凍することが可能となります。
大根おろしも冷凍しよう!
さっぱりとした味わいとピリッとした辛味で人気の大根おろしは、焼き魚の付け合わせやみぞれ鍋など、幅広い料理で大活躍ですよね。
加熱した大根に比べ、消化酵素や抗酸化成分の「イソチオシアネート」を効率よく摂取することができることから、身体にもとてもよい食べ方として知られています。
この大根おろしも、適切に冷凍保存することにより約1か月間、栄養と美味しさを保つことができますので、是非とも挑戦してみてください。
大根おろしの冷凍保存には、以下のポイントを守りましょう。
おろしたら、速やかに冷凍庫へ
大根おろしは、おろしたらなるべく早く冷凍しましょう。おろした後は、時間が経つにつれて風味の劣化や変色が起こるばかりではなく、消化酵素や抗酸化成分の「イソチオシアネート」の活動が弱まってしまうのです。
水分も冷凍しよう
大根おろしを作った際に生じた水分は、是非とも捨てずに、一緒に冷凍するようにしましょう。なぜならば、その水分にも豊富な栄養価を含んでいるからです。また水分を含んでいる方が、みずみずしい状態のままで大根おろしを冷凍保存することができます。
小分けにして冷凍すると便利!
ジッパー付き袋にそのまま保存するのも良いのですが、小分けして保存すると解凍するときなどに便利です。また、赤ちゃんの離乳食などにも活用できるので、バリエーション豊かに味わうことができますね。
大根おろしを小分けする方法として、ラップに包むほか、製氷皿を利用するのもおすすめですよ。
葉の部分も冷凍保存がおすすめ
白い根の部分ばかりではなく、葉の部分も冷凍保存して、効率よくいただきましょう。葉には、根を超える栄養素が最大の特長です。ビタミンCが豊富なほか、βカロテン、カリウム、カルシウム、鉄分など、捨ててしまうのは非常にもったいないといえるほど、栄養素の宝庫だといわれています。
葉の部分について、冷凍前の下ごしらえとしておすすめなのが、塩茹でしてから細かく刻む方法です(茹ですぎるとシャキッとした食感が失われてしまいますので、注意しましょう)。細かく刻んだ後冷凍しておけば、使用する分だけ取り出し、味噌汁の具材、パスタの彩りなど、幅広いレパートリーで活躍します。
冷凍での保存期間は?
大根は1か月を目安に使い切ろう
先程ご紹介した冷凍方法で正しく保存した場合、おおむね約1か月の保存が可能です。いちょう切りや短冊切りなど細かく刻んだ場合や、大根おろしも、1か月間は美味しくいただくことができるでしょう。
大きく切った場合はなるべく早めに
ぶつ切りや輪切りなど大きめに切った場合は、1か月を待たずに早めに消費するようにしましょう。前述にも説明しましたが、冷凍した大根は、徐々に細胞の破壊が促進されていきます。
小さく刻んだ大根に比べ、大きく切った際には大根の食感を感じやすくなりますので、長く保存すればするほど食べたときの印象が変化していきます。新鮮な状態で美味しくいただくには、なるべく早めに食べることを心がけましょう。
離乳食用はさらに早く使用して
大根は、赤ちゃんへの離乳食として初期から与えることができる食材です。美味しさをキープできるだけではなく、調理の時短にもつながる冷凍保存は、離乳食用としても大変おすすめとなっています。
しかし、まだまだデリケートな赤ちゃんですから、冷凍した大根とはいえ、古くなったものは避けましょう。目安としては1~2週間で使い切ることがベストです。
日付を控えておきましょう
大根に限らず、食材を冷凍するときに大切なことは、冷凍した日付を控えておくことです。使い切る目安が一目瞭然となり、無駄になることを防いでくれますので、これは欠かさないようにしましょう。
大根を解凍するときのコツ
鍋にそのまま入れてOK!
冷凍した大根は、葉の部分も含め、鍋にそのまま入れて加熱調理が可能です。味噌汁や煮物など、適切な大きさに切り揃えておけば、包丁不要で調理が完了してしまうためとても便利ですよね。
また、普通の鍋料理をみぞれ鍋にしたい!というときにも、冷凍した大根おろしがあれば、凍ったまま鍋に投入することで簡単にアレンジすることが可能となります。
自然解凍で美味しさそのままに
凍らせた大きさからさらに切り分けたいときなどは、自然解凍がベストとなります。室温で半解凍の状態にすれば、難なく包丁で切ることが可能です。
また、冷凍した大根をおろしにしたい場合も、同様の方法で解凍しましょう。
完全に凍っている状態、または解凍が済んだ大根は、すりおろしにくいなどの理由で大根おろしには適していません。半解凍の状態を見極め調理するように心がけましょう。
電子レンジでの解凍について
冷凍した大根は、電子レンジでも解凍することが可能です。電子レンジの場合も、室温解凍と同様に半解凍の状態を限度に解凍するようにしましょう。機種により異なりますが、厚切りにした大根一つにつき、500Wで1分間の加熱が目安となります。
ただ電子レンジでの解凍では、加熱のし過ぎに注意が必要です。電子レンジで加熱すると水分が失われていきますので、食感が悪くなる可能性があります。また、大根おろしの解凍については、電子レンジでの解凍は特に注意しましょう。加熱しすぎるとピリッとした食感が失われるほか、栄養価が落ちる心配が生じてしまいます。
冷凍に便利なグッズをご紹介!
ジッパー付きポリ袋
冷凍に対応可能なポリ袋、さらにジッパー付きなら密封することができるのでおすすめです。刻んだ大根をそのまま入れて冷凍できるほか、袋に冷凍した日付を直接記入することができるため、シンプルに保存することができます。
冷凍対応の保存容器
冷凍に適した保存容器も、是非とも活用したいものですね。積み重ねが可能なため冷凍庫内がすっきりとし、無駄なく大根を使用することができるでしょう。
ラップ
輪切りなどにした大根は一つ一つをラップに包むと、水分の損失を最小限に抑えることができます。そして、ラップに包んだ状態でさらにジッパー付き袋に入れることで、さらに新鮮なまま冷凍することができるでしょう。
製氷皿
製氷皿は、もはや氷を作るだけのものではありません。小分け冷凍に非常に便利で、特に大根おろしや離乳食用として是非活用していただきたいテクニックとなります。凍ったら製氷皿から外し、ジッパー付き袋や保存容器などに移し替えれば、美味しさを保つことができるだけではなく、一つずつ取り出すときにも便利です。
製氷皿は100円ショップなどで安価に購入することができますので、氷用とは別に、「大根用」として用意しておくのもよいですね。
金属製のトレー
こちらも100円ショップなどで購入することができますので、一つあると便利です。冷凍する際にこの中に入れておけば、熱伝導が促進されることで冷気が効率よく伝わり、急速冷凍が可能となります。トレーが手元にない場合は、お菓子の缶などでも代用することができますよ。
冷凍保存は節約にも強い味方!
1本が大きく無駄にしてしまいがちな大根も、賢く冷凍して効率よく使用すれば、葉も含め、手軽に大根料理を楽しめることがお分かりいただけたかと思います。
時短調理にはもちろんのこと、セールなどで大根が安いときに、1本を買って切り分け冷凍することで、節約レシピにも大活躍となりますよ。
上手に冷凍すれば栄養が失われることもなく、いつでも美味しく味わうことができますので、是非とも大根の冷凍保存を取り入れていきましょう。